「オオカミは嘘をつく」×「獣は月夜に夢を見る」
今日はなんとなく名画座というよりはミニシアター系、と言う言葉がしっくり来るようなちょっと不思議なセレクトの2本でやってみようと思う。
タイトルもなんとなく似ている、ような気がする。
ジャンルは違うが内容に関しては「えげつない」という共通点がある。
「オオカミは嘘をつく」×「獣は月夜に夢を見る」の2本立てだ。
「オオカミは嘘をつく」は2014年日本公開のイスラエル映画。
サイコスリラー、サスペンスに分類されるちょっとグロテスクな内容である。
少女が森で無惨な姿で殺害されるシーンから始まる。
その少女の父親による容疑者への復讐劇が話の中心となっている。
事件の真実は果たしてどこにあるのか。
思わず目を背けたくなるようなキツい拷問シーンに適度なギャグが織り込まれる。その監督のセンスには脱帽してしまう。
ラストシーンでは思わず「うわあああ」と言いながら膝から崩れ落ちそうになった。
イスラエルの映画、と聞いても余りピンと来ないかもしれない。国の事はニュースでなんとなく知っていても、映画やサブカルチャーに関しては日本でお目にかかる事はなかなかないだろう。
無論ある程度知識がないとわかりにくいかもしれないジョークもあった。
だが、単純にサスペンスとして非常に上手に作られた作品である。
「獣は月夜に夢を見る」は2016年日本公開のデンマーク映画。
北欧の凍えそうな景色を舞台にしたホラーファンタジーだ。
父親と病気の母親と共に暮らすマリー。
家族は村で孤立した存在であるが、それには理由があった。
母親とマリーは獣人化してしまう遺伝性の病気に冒されていたのだ。
マリーが働く魚工場でのいじめは不愉快で、凍てついた暗さがある。
その中でマリーは同僚と恋に落ちるのだが、その恋は果たして彼女に幸福をもたらすのだろうか。
獣と化して行くマリーの姿にはゾクッとさせられる。
北欧の美しい景色と共にふわっとしたモヤモヤを全力で投げつけて来る、そんな映画だ。
どちらもちょっと小難しそうな、カルト映画の類いに見えるかもしれない。
正直に言ってしまえば、見終わった後決して爽快な気持ちにはならない、そんな2本だ。
しかし何か小さなトゲを心の奥に残す。
そのトゲについて、気付くと色々と考えてしまっているのだ。
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