「疾走スプリンター」×「クール・ランニング」

幾つか前の記事で「格闘技映画」をテーマに2本立てを組んでみた。

折角なのでスポーツをテーマにした映画を更に2本、選んでみたい。

スポーツを描いた映画は沢山ある。

どれを選ぶか。

これはセンスが問われるところだ。

少し調べてみるだけで、サッカー、野球、ボクシング等、普段テレビでよく中継されるような人気スポーツを題材にした映画がザクザク出てくる。

その中で今日は「オリンピックや大きな大会のある時にやっとBSで中継される」ちょっぴりマイナーな競技を題材にした映画の名作を選んでみた。


「疾走スプリンター」×「クール・ランニング」だ。


「疾走スプリンター」は2015年製作だが、日本公開は2017年だった。「激戦」と同じダンテラム監督×主演エディ・ポンによる中国・香港合作の1本で原題は「破風」というシンプルなものだ。

自転車ロードレースをテーマにした壮大な映画で、プロチームの選手達に寄る過酷なレースを迫力ある映像で見せてくれる。

日本でも近年弱虫ペダルのヒット等でロードバイクを楽しむ人が増えてきていると思う。実際週末に近所の河川敷まで散歩に行くと、ロードバイクのグループと何組も擦れ違う。

しかし「スポーツとして自分で嗜む」人は増えていても、「スポーツとして観戦するのが好き」という人はどれくらいいるのだろうか。これは私が不勉強なのもあって全く想像がつかない。

日本では競輪を現地に見に行く人はいても、テレビ中継では競馬に押されているのが現状ではないか。

自転車レースはツール・ド・フランスと夏季オリンピックの中継がBSで申し訳程度にある、それ位の事しか知らない。

だが「自転車」は誰に取っても身近な乗り物だ。テレビの地上波で頻繁に中継されるマラソンや駅伝を見るような感覚で、カジュアルにこの映画に触れてみて欲しい。


「クール・ランニング」は1994年に日本公開されたジョンタートルループ監督によるアメリカ映画。

ジャマイカのボブスレー選手の実話を元に作られたコメディだ。

南国から冬季五輪を目指す、とても荒唐無稽に見える話だ。

しかしそれを現実に変えた人々がいる。

事実は小説よりも奇なり、とはまさにこの事。映画にならないはずがない。

東京都大田区の町工場で作られたボブスレーを題材にした下町ボブスレーというドラマでボブスレーが話題になったこともあったが、実際は冬季五輪の時でもなければそうそうお目にかかる事が出来ない競技だ。

丁度来年2月には平昌で冬季五輪が開催される。

もしこの映画を名画座で掛けるなら、やはりこの寒い時期でありたい。


自転車もボブスレーも、面白味はあのスピード感だろう。


スポーツ映画から学ぶもの。それはとてもシンプルに「不屈の精神」であろう。そして今までよく知らなかった競技を知るきっかけにもなる。きっと新しい扉を開いてくれる。

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