「リアル・スティール」×「激戦 ハート・オブ・ファイト」
もし私が名画座のスタッフだったとして。
ある日の事だ。
常連のお客さんがよくプロレスTシャツを着てる事に気付いたとする。
「格闘技物の映画で2本立てを組んでみようかな、丁度スポーツの秋だし」
ふとそう思うかもしれない。
そしたら迷わずこの2本。
今日は「リアル・スティール」×「激戦 ハート・オブ・ファイト」で行ってみよう。
「リアル・スティール」は2011年公開、ショーン・レヴィ監督、ヒュー・ジャックマン主演のアメリカ映画。
ロボットによる格闘技が盛んな近未来。
離れ離れに暮らしていた父親と小さな息子がロボットをきっかけに本当の親子になっていくストーリーだ。
ロボット達の格闘シーンは流石WWEの国アメリカとでも言おうか、非常にエンターテインメント性が高く見応えがある。
しかも格闘技好きな人は勿論だがロボットが好きな人も楽しめるのではないだろうか。
それだけロボットがストーリーに占める比重が高い。
「激戦」は2013年公開のダンテ・ラム監督、ニック・チョン主演による香港映画。
八百長が原因でボクシングを止めた男ファイ、親の借金のために総合格闘技を始めようとする男チー。更には心を病んだシングルマザークワンとその娘シウタン。
訳ありの彼らを中心としたストーリーだ。
クワンとシウタンの家に居候することになったファイはチーのコーチを始めるのだが、格闘シーンは練習も試合もどちらもハードな物だ。試合で曲がった鼻を治すシーンは何度見ても痛い。
その一方でファイ、クワン、シウタンの三人の疑似家族のような心温まる生活も描かれるのだが、それはそれで一筋縄ではいかない展開が待ち受けている。
どちらも格闘技という人間同士の戦いを通して家族の絆を描く、骨太な映画だ。
下手をすれば露骨なお涙頂戴な話になりがちな人と人の絆の描写を、格闘技を話の中心に置く事でとてもエンターテインメント性の高い物に仕上げている。
むしろ人の内面の描き方が上手いので激しいだけの辛い映画にならずに済んでいるとも言える。
派手な格闘技シーンと丁寧な人間ドラマ。そのバランスが絶妙なラインで取れている2本だ。
この2本立てを見た日の夜は家族や友人、恋人との食事が少し特別な物に感じるかもしれない。
そして確実に寝る前に腹筋をしたくなるだろう。
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