ヲタク、やっと世界について知るそうです

前回のARASUJI!

アリスに突然の告白をされるオタクは後先考えずにアリスに協力すると告げる

協力する条件としてオタクは「世界について教えてくれ」を提示した



…ここにきてやっとまともな振り返りだよ!←最初にふざけてるのは触れない

前回まで適当すぎだったろ!



「…え…と…どこからお話ししましょうか…」

そりゃそうだ

私たちの世界で記憶喪失した人にこの世界って何?と問われているのと同じである

迷うよねー!


「じゃあ世界の構成についてでお願いするであります!」

オタクは質問の難しさに気づいていないが質疑応答形式で話を進めようとする

なんとかまともな説明になりそうだ…

…たまたまだろうけどね


「私たちが住むこの星には全世界で五つの国で構成されています」


…五つしかないのか


「国境はあそこにある巨大樹を中心に綺麗に五等分している境界魔法です」


言われて気づいたがあの巨大樹、目茶苦茶でかい…

巨大という言葉の通りだがもっとスケールが違うと思っていい


「…ちなみにあの樹の大きさってどのぐらい…でありますか?」

「大体25キリですね」

「キリ…とは?」


キリという聞きなれない単位が出てきて逆に大きさが分からん


アリスは言葉の説明に困る

「えっと…そうだ!」


何か思い付いた様に腰のポシェットからある棒を取り出す


「これは定規って言うんですけど…」


ほほう、定規か

流石のヲタクでも常識は知ってる

それにオタクは現役の高三だったのだ

定規を知らなかったらそれこそもうおしまいレベルである


「この一つの区切りがミル、この太い線の区切りがセレです」


なるほど

ミリ→ミル

センチ→セレ

ということかなら大体予想はつくが先を聞いておこう


「100セレになると1メトロ

そのメトロが1000個あると1キリになります」


予想通りだ


…てことは?


25キリって?

→25キロメートルってことだな


その思考にたどり着いたオタクは



「エエエエエエエエェェェェェ!!???」



この反応である

うるさい -114514点


スカイツリー何個分よ!!

→大体40個です


計算したのかよ!!無駄なことせずに執筆しろよ!←これ書いてるの私なんだけどブーメランなこと気づいてる?


そうだったあぁー!!!


「話を戻しますけど」


すみません


「大樹を中心として北は私たち人間の国<ひゅるりん>」


( ; ゜Д゜)

「は?」


「…はい?」

何かおかしいことでもあったのかというアリス


しばしお見合い状態になる


「ひゅるりん…でありますか?」


「はい、そうです」


オタクは今、人間の国ってことは人間以外の国があるってことでありますか?

と問おうとした


しかし実際に聞いた内容はその直後に告げられた国名についてだった


ひゅるりんww


そりゃ誰だって本当かどうか確認したくなるわ!


「…はあ…人間の国ってことは人間以外の国があるってことでありますか?」


なんとか持ち直したオタクである


「はい、そしてひゅるりんを中心として右隣に獣人の国<ビートルム>」


…ひゅるりんの次のクセに目茶苦茶まともな国名だよ!


「ビートルムの隣は妖精の国<フェリシャレオ>」


洒落乙ー!


「フェリシャレオのとなりが神霊の国<ファンタルロ>」


能力くれた人?はファンタルロ出身かな?


「そして最後に獄人の国<ディルグラス>」


「獄人でありますか?」

「はい、獄人は幽霊や死または災悪を司る力をもった種族のことです」


なるほど分からん

まあいつかわかるだろ


ってかひゅるりん以外まともな国名じゃねえか!


「なるほど…世界については分かったであります!次は種族の特長についてお願いするであります!」


「はい、私たち人間は魔法を使うことが出来ます。獣人は身体能力が高いです。妖精は使い魔の様な精霊を従えており、神霊は存在そのものが能力と言っていいほど異常な力を持っています。獄人は未だによくわかっていません」


なるほどなるほど


これで聞いておくべきことは大体終わったか


「有り難うであります。それがしが至らぬゆえ今はこのようなことしか訊けないでありますがもしまた訊きたいことがあれば訊いても良いでありますか?」

「はい…でも本当にいいんですか?」

アリスが確認してくる

「何でありますか?」

オタクは察せていなかった

「その…命がかかってしまうかもしれないんですよ?見ず知らずの私に…かけてもらってもいいんですか?」

「それがしも漢ゆえ…大船に乗ったつもりでいてくれるといいであります!」

無駄な所でキザなことをしやがるのがイラつく

「有り難う…ございます」


アリスはそれだけ告げその場を去った

一筋の涙を浮かべていた

それは感動か、それとも恐怖か

知っているのはアリスのみである



オタクはその涙に気づかなかった

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