第153話 永岡天満宮ダンジョン③

鑑定結果のドロップ率の種類表示減らしました。爪牙等の個別じゃなくて素材にまとめてます。

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 障子を開けて中に入ると、室内スズメが二匹。手前の一匹を踏み込みつつ切り捨て、返す刀で二匹目を斬り上げる。


 ここの一階層のモンスター相手じゃあ、狼刀は威力がありすぎるな。


「廊下に出たら次の階層へ行くか」


 そういうことを言うから、なかなか廊下に辿り着かなかったりするんだな。

 戻らないことにしたせいで、今度は八部屋ほど移動したがまだ廊下にたどり着かない。

 面白いことに、マッピングで隣に通ってきた部屋が存在することもあるが、そちら側には扉がなかったり、あっても全然違う部屋に通じていたりする。

 こんな調子だと制覇に時間がかかるのわかるなあ。


 ようやく廊下に戻ってきた。障子を開けた瞬間タマとポチが姿を隠す。

 廊下で他の探索者に出会う可能性があるからだ。

 この扉ごしはサーチが役に立たない。

 空間的に隣接していないせいだろう。通過して初めて効果が出る。ややこしいからしばらく切っておくか。


 廊下に出て階段を目指して進む。長い廊下は丁字路になっていたりクランクになっていたりとするが、一応階段の場所は手に入れた地図に載っていたので、間違えることはない。廊下だけだと複雑ではないのだ。


 そしてその階段だが。


「登りかあ。家屋だしなあ」


 横幅は三メートルはありそうな広さがあるが、踏むとギシギシと軋む板の階段。手すりはない。

 うちの実家も手すりは後付けだったな。


 段数は他のダンジョンと同じくらい、一般家屋の階段にしては多い。しかもかなり広目の踊り場があった。

 階段が途中で折り返すのは建築時のスペース的な問題だと思うのだが、広さに制限がないと思われるダンジョンに、踊り場で折り返す必要はないと思うんだが。


 でもこれだけ広いと夜営とかできそうだな。


 そして階段を登り切ると、幅広の廊下が続いていた。

 

「二階か、扉一回分は探索するかな」


 少し進んだところで竹の絵の襖を開けて中に入った。


 室内ツバメにに似た、けれど少し大きい鳥がいた。


「パチュパチュパチュパチュパチュパ……」

「うるさいですワン」


 鳴きながら飛びかかってきたが、ぽちに瞬殺された。


「まあ、騒音シジュウカラってやつだし」


【コモン・クレーマーグレートティット】【魔石50%・素材20%・アイテム10%・なし20%】


 シジュウカラって英語でグレートティットっていうんだ。小さいのにグレート?

 そんな感想をよそに二匹目もタマに瞬殺されている。

 どちらもドロップなしだった。


 進むと鬼ツバメも現れた。まあ脅威度1とかはね。

 小さいモンスター相手に狼刀は取り回しにくいかと思ったが、それほどでもなかった。スキルのおかげかな。


 四部屋ほど移動した先に、玉手箱、じゃなく宝箱発見。

 中は《加工》だった。


「二つ目だけど、なんだかなあ」


 そしてさらに三部屋移動して廊下に戻った。


「うん、三階層に行こう」


 そういえば廊下にはモンスターが出ないのか、そのまま登り階段へ到着したので広くて段数の多い階段を登る。

 他の探索者に会わないのは、この辺りスルーしてるからだろうな。


 そうして三階層へと移動するが、変わらず廊下が続いていた。

 ここもせっかくだからどこかの部屋を探索しよう。

 階段に程近い松の絵の襖を開けると、相変わらずの畳の部屋だった。


 三階層には石頭百舌鳥が出た。脅威度3のモンスターだが頭突き攻撃をしてくる。

 神風特攻隊もかくやの如く、頭から突っ込んでくるんっだが、コモンモンスターは俺たちの敵ではなかった。


一応鑑定もしたが、ドロップ率は1、2階層のモンスターと変わらなかった。


【コモン・ストーンヘッドシュライク】【魔石50%・素材20%・アイテム10%・なし20%】


 ドロップはローヒールポーションだった。手持ちにミドルポーションがあるから、ローヒールポーションは売りかな。ポーションポーチに収納して探索を続ける。


 四部屋目で縁側のある部屋に出た。縁側の向こうには金持ちの家の庭っぽい手入れされた植木や、石灯籠の置かれた池があった。これが普通なら錦鯉とかが泳いでそうな感じで。


「あれ、ここ三階層だけど外は一階?」

「ダンジョンですからにゃ」

「下の階層と繋がっているわけではないですワン」

「まあ、そうか」


 襖を開けた先が隣接する部屋じゃあないんだし、階段上がったからと言って建物の中を登っているわけじゃないもんな。


 探索を続けると、石頭百舌鳥のほか、騒音シジュウカラも現れる。今のところ各階層二種類のモンスターが出現しているようだ。

 向かってきた石頭百舌鳥を狼刀で斬り伏せる。


「あ、スクロールドロップ」


 コモンでスクロールドロップは久々だ。トレジャーボックスといい、ドロップといいスクロールドロップがいいのに、制覇推奨なのか、ここ。


 スクロールの鑑定をして……


「もしかして、そういうこと?」


【コモン・スクロール】《加工》ダンジョン素材が扱える=


 まさかの《加工》三つ目である。


「加工のスクロールが安く購入できるのって、永岡天満宮ここのおかげなのかな」


 なんとなく釈然としないが、《加工》のスクロールを腹袋に詰めて、先に進んだ。

 もうちょっと他のスクロールが出てもいいだよ?



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投稿してないのにPV伸びる日があるんだけど、何かあるのかな?

短編Ⅰの順位上昇のお知らせきたんだけど666位でワロタ

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