第82話 表向き三度目の生狛ダンジョン
投稿ちょっと遅くなりました。申し訳ありません。
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表向き三度目の生狛ダンジョン探索である。受付の人に顔を覚えられてしまったようだ。
武器の取り出しと着替えを終え、受付カウンターへ行くと向こうから声をかけられた。
「おはようございます、鹿納さん」
「おはようございます。えっと二日の探索でお願いします」
「はい、承りました」
免許証を差し出し処理をする。あ、そうだ。
「今最終到達階層って何階なんですか?」
「最終ですか。無所属の〝三叉の鉾〟っていうパーティーが十三階層に到達してますね。他は大体十階層までを周回している感じですか」
思ったほど進んでいないようだ。〝三叉の鉾〟ってあの三人組じゃないよな。三人全員槍装備ってわけじゃなかったし。
バックパックを背負ってゲートを通過する。今日の午前中は一階層から真面目に降りていく予定だ。
低層の毛皮を集めるためである。
佐々木なにがしと契約するとしても、最初からいい皮を渡すのはちょっとね。
どの程度の腕前か分からないから、まずはコモンの皮からだろう。
裏山ダンジョンのドロップも大方買取に出したりリソースに回したりで、コモンの皮は残ってなかったりするのだ。
そんなわけでリトルシリーズの皮を手に入れようと思っている。
購入したマチェットを鍛えるためというのもある。
ホームセンターで買ったマチェットは、初ダンジョン持ち込みだからね。このまま下の階層に投入するのは耐久度的に問題があるかもと言うことで、頑張って鍛えようと思う。
明日を十四階層の探索にあてて、出来れば今回の探索の間に下り階段を見つけておきたい。十四階層に到達している探索者がいないなら、ボス戦は来週の放課後に挑戦する予定だ。
そうすれば俺の入ダン記録がない日に制覇されることになり、俺が制覇したことが協会側にバレない。
どこの誰にダンジョンボスが倒され制覇されたのかがわからなくて、騒ぎになるだろうが、俺は生狛ダンジョンにはいないのでOKなのだ。
とらぬ狸のなんとやらだが。このダンジョンが二十階層まであったら全然話は変わるからね。
真面目に入り口から下り階段を目指すが、通ったことのない道も行きつつ、かと言って大きくは寄り道しないで、出会ったモンスターは発見即斬! って感じですすむ。
どうやらスキルがレベルアップしたようだ。
《マッピング》は通ったことのない場所へ行くと、自動で地図が書き加えられるのだが、その範囲が広がった。《サーチ》の方もトラップの場所がわかるようになったのだ。
自分の取得したスキルのレベルが上がったときに、お知らせ機能があればいいがそんなものはないし、ゲームのようにステータスを確認する術もない。
使っているスキルの威力が上がったり範囲が広がったりで、自覚するしかないのだ。
《マッピング》は取得した時は《Ⅰ》だったが今は《Ⅲ》くらい、《サーチ》は《Ⅱ》だったのがこれも《Ⅲ》になったようだ。
未発見の罠の位置がわかるようになったのがありがたい。
今回浅階層を進むうちは《サーチ》スキルを使わない〝縛りプレイ〟でやっている。
危険の少ないところで気配を読む訓練をするためだ。
タマにも浅階層を進む間は引っ込んでもらった。
《マッピング》の方は使って未踏破エリアの地図を埋める感じで、いくらか違うルートをいくことにした。
そうやって浅層を進み昼前に五階層へ到達した。
生憎中ボスは倒されており、リポップはしていなかった。
流石に浅階層は他の探索者もいるので、宝箱は全く発見できなかった。くまなく隅々まで回っているわけじゃないから仕方ないか。
戦果はリトルドッグ九体の内魔石5皮2牙1ハズレ1。
リトルコヨーテ九体の内魔石4爪2
リトルカリオン八体の内魔石4皮2牙1
リトルウルフ八体の内魔石5皮1爪1
コモン星1と2の毛皮をゲットできた。それと今回はアイテムのドロップが結構あった。
スキル《スマッシュ》はハンマーや杖などの打撃武器の武技スキルだ。剣でも使えないことはないが威力は落ちる。これは売りでいいかな。
そしてアクセサリーなんだが。
【コモン・アクセサリー】《牙の片ピアス》牙のピアス。複数装着で効果が上がる/力上昇(極小)=
力がちょっと上がるのだが、牙の形のピアスって痛すぎる。こんなのつけられないって。
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〝三叉の鉾〟と書いて〝トライデント〟と読む! しかしそれを知らない(有名ではないので)職員は日本語読みをしました。
ちなみに国内では同じパーティー名は登録できないことになってます。
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