第60話 放課後の探索②
火曜日の午後の授業は英語だ。教師は中休みをとってくれるがトイレ休憩程度でおしゃべりは禁止。
今週は実技も実戦授業もないからか、静かに過ごせそうな予感。
今日も授業の終了とともにみんなは教室を出ていく。
俺はゆっくりと更衣室に向かう。ロッカーは共同じゃなく、個人使用なので卒業まで同じロッカーを使う。上下二段タイプのロッカーで場所は受験番号順だったりするので、周囲にクラスメートのロッカーがないところが去年はありがたかった。
二階層の下り階段前まで移動する必要はないかと、今日はトイレの個室からマイボス部屋へ転移する。
装備を整え、いざ生狛ダンジョンへ。
二日目の探索も正味一時間半ほどで十二体を倒した。内訳はハウンドドッグ六体、ヘッドバットゴート四体、スキップゴート二体。
ドロップ品はハウンドドッグが魔石4個、牙一個、爪一個。
ヘッドバットゴートが魔石三個、毛一束。
スキップゴートが魔石一個、ハズレ1。
五時を過ぎそろそろ終わらないとと思っていたときに、ようやく下り階段を見つけた。
明日に《階層転移》が使えるように、一度十二階層に降りるておくか。
どうせ洞窟だし見るだけ見て引き上げるかと考えながら階段を降りると、すぐ近くをモンスターが横切ろうとして、こちらに気付く。
モンスターは階段を登ることはないが、階段のすぐ前にいることはままある。
油断していた俺が剣を構える前に、タマに一撃瞬殺されてしまった。
「サーチスキルに頼りすぎるのも考えものですにゃ」
うん、多少は気配を読む訓練も必要だよな。十二階層に新たに出現したモンスターはミラージュリカオンだった。
ミラージュリカオンはハウンドドッグと同じ脅威度5だ。リトルリカオンと同じリカオンなんだが、ミラージュリカオンの皮はなんと星5の高額取引品。ミラージュとながつくだけあって〝錯覚〟の追加効果がつく装備が作れるのだ。
魔石を回収してマイボス部屋に転移した。
今日のドロップ品はヘッドバットゴートの毛以外リソースいきにした。
そして学校ダンジョンに転移する。昨日とほぼ同じ時間だから、下から上がってくる上級生の声が聞こえるので、さらっと人の波に紛れた。
そんな感じで問題なく水曜日も生狛ダンジョンへいく。
十二階層の探索は当然二時間ぽっちで終わるものじゃない。
出現モンスターはミラージュリカオンとスキップゴートにライズアップシープだ。ミラージュリカオンを鑑定して見たがドロップ配分はハウンドドッグと同じだった。
=【レア・ミラージュリカオン】【魔石40%・皮15%・爪15%・牙15%・アイテム10%・なし5%】=
十二階層の罠は
毒自体は即死毒ではなく軽めのものだが、十分ほど倦怠感と頭痛に見舞われ行動に支障が出る。そんなところをモンスターに襲われたらという感じで、十一階層以降の罠はそういう傾向なのかもしれない。
いくらも進まないうちに時間が迫ってきたので三日日目の探索をおえる。
本日の討伐数はミラージュカリオンが六体で魔石四個、牙一個、爪一個で皮のドロップがなかった。
スキップゴートは三体で魔石二個と皮一枚、ライズアップシープ四体で魔石二個毛が一束、ハズレ1。
十二階層のドロップはスキップゴートの皮とライズアップシープの毛以外リソース行きである。
一旦マイボス部屋に戻って、今日も上級生の群れに紛れて帰途につく。
しかしこの調子じゃあ放課後だけじゃあ十五階層どころか十三階層に到達するのもいつのことになるやら。
来週からは実践授業も始まるから、放課後に生狛ダンジョンに行く回数はよくて1、2回か。
んー、今度の土日も生狛ダンジョンに行くか。そうすれば手持ちの素材も売却できるし十四階層までは踏破できるかな。
マイボス部屋で装備を外して、二階層の下り階段まえの草むらに転移する。
今日も上級生が続々と……というほどでもないが帰ってきた。
そろっと立ち上がると、一人の先輩と目があった。あ、月曜日に目があった先輩だよ。「こいつ草むらで何してるんだ?」って顔かな?
しかし先輩は何も言わず俺の横を足早に通り過ぎた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます