第61話 放課後の探索③
水曜日、木曜日と二日がかりの探索では、やはり十三階層への下り階段の発見には至らなかった。
だが木曜日の探索で
一つはミドルヒールポーションと毒耐性の指輪が入っていた。
=【レア・ポーション】《
=【レア・アクセサリー】《毒耐性の指輪Ⅱ》耐性25%=
一箱で二つとはラッキーと言いたい所だが、だいたいは三個前後入っていることが多い宝箱に、今まで一個しか入ってなかったことの方が運が悪いと言える。
もう一つの
=【レア・スクロール】《気配隠蔽》気配を隠す=
説明が役立たずな気がする……《気配隠蔽》は自身の気配を薄くして、モンスターに察知されにくくするスキルだ。迷わず使用した。
広げたスクロールは光の粒子となって消えていく。
JDDSでの現在の評価はレア星三つで、オークションにかければ結構なお値段になるのだが、《気配隠蔽》は探索時だけでなく学校生活にも役立つので迷いはなかった。
これで帰りに上級生の集団に紛れやすくなるというか、彼らに気づかれにくくなるはず。
さすがに連日草むらから出てくるところを、同じ先輩に見られて訝しげに首を捻られたのだ。
あと、鬱陶しい連中からも身を隠せるしな。
今日はミラージュリカオン七体の内魔石三個と牙二個ハズレ1、そしてようやく出ました、皮一枚。これは温存して後はリソース行き。
スキップゴート二体は魔石と毛が一づつ。
ライズアップシープ四体で魔石二個と角一本と肉一個。そう、肉がまた出たのだ。
肉用に調味料買いに行こうと思ってて忘れてたな。今日はスーパーによって食材と調味料を買って帰ろう。
ドロップしたライズアップシープの肉に合う調味料って何かな。
塩胡椒だけでも十分うまいのだが、他にも何かないかスーパーを物色することにした。
食料品売り場を彷徨いながらスマホで羊肉料理を検索したけど、なんだか難しそうな外国の料理ばかりで、俺に作れそうなのってないんだよな。
カレーとかなら作れるけど本格インドカレーとかじゃなくて市販のカレールウ使うだけだし、もったいない気がする。
カレーでもいいけど各種ステーキソースとメーカー違いの焼肉のタレで味変するくらいしか思いつかない。
あ、野菜もいるな。ステーキの付け合わせは玉ねぎとブロッコリーくらいでいいか。カレーにするならじゃがいもとにんじんもいる。ジンギスカンならキャベツともやしか。
明日は面談だから探索はなし。明後日に生狛ダンジョンに行くことにしたから、その分の買い物もしようっと。
あ、肝心の肉を薄く切る包丁もいるぞ。爺ちゃんの刺身包丁で調理はあんまりしたくないんだ。肉用の包丁って牛刀っていうんだっけ。
爺ちゃんの刺身包丁ほどのものいらないけど安すぎるのもダメだよな。
スーパーでも包丁は売ってるけど、ネットで探してみよう。
ツヴィ○ングJ.A.ヘン○ルスってメーカーの包丁三本とキッチン挟みとスタンドのセットが特価の1万円で売られてたのでポチッてしまった。
関○六と悩んだけどなんかこのマークカッコよくね? こっちにしちゃったよ。
夕食はジンギスカンにした。野菜はもやしとキャベツと玉ねぎだけだけど。これだけあれば十分だ。
一応キャベツと玉ねぎはあるだけカットしてジプロックに小分けしておく。
これはマイボス部屋で使う用として、今日買ってきた調味料の半分とおにぎりとかお茶とかとまとめてボストンバッグにつめて《倉庫》に収納だ。
自宅の包丁では肉を薄切りにできないけど、分厚目でも美味しいからいいよな。
一人用のホットプレートも買っちゃった。かなりの荷物になったけど、いくらか身体能力上昇してるから、なんとか持って帰れた。
寮の時は宅配は寮監が受け取ってくれるから、良かったけど一人暮らしのアパートじゃあ宅配の受け取りも困るんだよな。
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昔ヘンケルスのマークを〝踊る人形〟と勝手に呼んでいたことがあります。
FSSは7巻くらいまでしか読んでません。
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