第51話 生狛ダンジョン中層②

【お詫びとお知らせ】

 順番を間違えて投稿してしまいました。

 本当の49話を飛ばして50話を49話として投稿していました。もし【生狛ダンジョン中層①】をお読みで無い方は49話までお戻りくださいませ。

 申し訳ありません。

 そんなわけで12月6日は0時と22時の2話更新になっております。

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 地図がないのでやはり時間がかかる。他の探索者もこの辺りではほとんど見かけない。

 五階層の中ボス部屋に戻れるよう、だいたい六階層あたりまでで引き返すようだ。

 七階層になるとエンカウント率が上がった。

 だが、七階層に新たに出るモンスターはスキップゴートである。裏山ダンジョンでは六階層だったが、単種出現だった。ここは他にコヨーテとリカオンも出る。コヨーテとリカオンは二頭同時に出たりもした。


=【レア・スキップゴート】【魔石50%・角10%・毛10%・皮10%・アイテム10%・なし10%】=

 

 スキップゴートは脅威度4だがランクはレアになる。多少強さが上がるが、戦闘経験のあるスキップゴートなので、さほど苦労はしない。

 と言うかこのエレホーンソード、よく刺さるわ。刺突武器ってあんまり得意じゃないけど、なんとか扱えているのは武器によるところが大きいな。


 今まで刺身包丁も鉈も振り回して斬りつける立ち回りだったのが、ここにきてちょっと変更の必要が出てきた。


 しかしここのスキップゴートは裏山ダンジョンと違って戦いにくかった。

 七階層では落とし穴ピットフォールの罠が増えた。

 スキップゴートはこのピットフォールのスイッチを踏んで発動させて自分はスキップというかジャンプして避けて逃げるのである。

 距離を取られるだけではなく、不意に現れた穴を避けつつ、攻撃を仕掛けるとなると、攻撃がずれたりするのだ。


 その辺タマの方が対応力が上というか、戸惑なく落し穴を飛び越え、スキップゴートに逃げる余裕をあたえず一撃で屠る。


 八匹目のスキップゴートを倒したあと、スクロールがドロップした。


「よし! 罠感知キターー!」


 思わず叫んでしまった。罠の多いダンジョンでは罠系と言われる《罠感知》《罠解除》《罠無効》などが出やすい。ちなみに後者に行くほどドロップ率は低くなる。

 《罠感知》はレアの星二つだ。


 まあそれだけじゃなく、スキップゴートに梃子摺らされていたところに初のスクロールドロップだ。テンションあがるのも仕方ないだろ。


「これとサーチが合わさればもう無敵じゃね?」


 スラッシュの時と違ってすぐに習得を決める。


「《罠感知》がなくとも私がちゃんとお知らせしますにゃ」

「いやいや、わかってて避けるのと、わからずに避けるのでは安心感が違うからね」


 そんなやりとりもしたが、七階層ではトレジャーボックスを一つ発見、中はローヒールポーションだったが。


 下り階段を見つけるまでに三時間かかったので、遅めになったが昼休憩をとることにする。

 今朝買ったサンドイッチは、流石にコンビニのサンドイッチの倍の値段するだけあって、なかなか美味しいがボリューム不足だった。

 場所代とかもあるだろうから、あそこの移動販売車はどこもお高め、行楽地価格なんだろう。


 さて頑張って八階層の探索を始めようか。


 下に降りるに従って、だんだんと広くなるのはどこのダンジョンでも同じだ。

 そして罠も凶悪になっていくが、《罠感知》のおかげで罠にはかからず進むことができている。

 この階には落とし格子ポートカリスの罠が増えた。

 これに引っかかるとかなり厄介だ。馬鹿正直に真下で受けるとさすがに重傷を負うが、だいたいポートカリスの下敷きになるやつはどんくさすぎて探索者に向いてないと思う。

 発動させてもかかるやつはまずいない。だが、この罠の凶悪なところはそこじゃないのだ。

 道が塞がれることにある。そう、落ちる前に前に進めれば問題ないが、後ろに逃げると先に進めなくなり、回り道を強要される。

 さらにこのポートカリスは、近くで解除を待つこともできない。

 近くにいると解除されないのだ。仕方なく別の道を行くが、結局行き止まりだったり、先に進めなくって戻ってくると解除されている。

 解除されるまでの時間はまちまちなので、どのくらい離れていればいいかというのはわからなかった。


 今の俺にはわかる。罠に設定されている距離以上離れれば解除されるのだ。

 そりゃあ時間はまちまちだな。直線距離がから探索者の移動距離でもないし。

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