第49話 生狛ダンジョン中層①
【お詫びと訂正】
12月6日0時に投稿した【土曜日(2日目)】は実は50話に当たりまして、本当の49話はこちらの【生狛ダンジョン中層①】になります。若干前倒して投稿しました。
順番間違えてました。申し訳ありません。m(_ _)m
┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
六階層は低層と少し雰囲気が変わった。壁が慣らされた感じから若干ゴツゴツした感じの荒い岩だ。これは壁面にぶつかるだけでも怪我しそうだな。
それだけ、と思うだろうが凹凸のせいで罠のスイッチが判別しにくくなる。
サーチのレベルを上げる為、積極的に使っていこう。
ここからはマップがないので、下り階段を探しながら慎重にいく。
「マスター、遅いですにゃ」
おい、そこの猫!
トントンと罠のスイッチを器用に避けてはねるタマ。俺はタマの後を忠実に追いかける。
「おっと」
ちょっとバランスを崩して思わぬ場所に足をついてしまった。そのままわざとバランスを崩し、床にたおれこむと頭上を石礫が通り過ぎ、壁にビシビシビシッとぶつかり砕け散る。
六階層には
「いて」
時々壁面にぶつかって砕けた破片が飛んでくる。
顔に当たったが、まあ殺傷能力はない。ある程度丈夫になった俺もこれくらいでは傷つかない。
「大丈夫ですかにゃ。〈ペロペロ〉」
石礫の破片より、タマの猫化特有の舌の方が痛い。
「舐めてくれなくていいぞ」
「舐めときゃ治る」というのは唾液に雑菌があるから逆効果だ嘘だという説もあるが、タマの〝ペロペロ〟には一応治癒効果があるらしい。
唾液云々を別にしてスキルとしてちゃんと治癒効果がある。
実際どこかの大学で〝唾液に細胞をつなぎ合わせて傷を塞ぐ効果がある〟ことを発見したらしいから、間違いでもないか。
だがタマの〝ペロペロ〟はちょっとざらついてひりっとする。
地図がないというのは、なかなか大変だ。だが俺にはマッピングがあるから、行き止まりでも戻りさえすれば迷わず違う道を選べるし、
探索者によってはスプレーペンキで壁面に
この時自分たちだけにわかるような、暗号というほどではないがローカルルールを設定する。
例えばここに矢印があるが、この矢印は上り階段か下り階段どちらを示していると思われがちだが、パーティーによっては「この先行き止まり」だったりもする。
何が言いたいかというと、他人がつけた印は当てにならないということだ。
そしてこの印、数日から長くても数週間で消える。
最近ではダンジョン側がこうした探索者の印を真似て印を描くダンジョンが現れたという報告がある。検証中らしい。
うん、成長するからね、ダンジョンもダンジョンコアも。
六階層からは初登場の一種とは別に、低層に出現したモンスターが数匹単位で出るようになる。六階層初はヘッドバットゴート。頭突きをかましてくる山羊だが、大きさは大型犬ほどある。
=【コモン・ヘッドバットゴート】【魔石50%・角10%・毛10%・皮10%・アイテム10%・なし10%】=
ドロップ品の毛だがカシミアっぽくて手触りがいい。防具にも使うがショールだとかの一般の服飾用の需要があるので結構お高く買い取ってもらえるそうだ。
ドロップはヘッドバットゴート七匹で魔石四個、角一本、毛二束、ハズレ1。
リトルドッグ二匹は魔石二個、リトルコヨーテ四匹は魔石三個とローポーション一本だ。結構な稼ぎである。
リトルコヨーテの5%であるアイテムを引き当てたのは結構運が良いのではないかと思う。
まあローヒールポーションはアイテムの中じゃ出やすい方だけど。
七階層への下り階段を見つけるまで三時間ほどかかった。この先はもっと時間がかかりそうだ。今日のところはこれくらいで終わろう。
「タマ、帰るぞ」
「了解しましたにゃ」
タマが影に沈んだのを確認して《階層転移》でマイボス部屋へ移動した。
今日はここで寝て、明日の朝一度外に出よう。ここまでのドロップ品を一度売却してしまうほうがいいだろうし。
マイボス部屋に戻って、腹袋から売却用のリュックに詰め直し休む。
明日の朝食は外で食べるかな。
タマは通常サイズになって横に寝転んできた。結構フッカフカである。
温度湿度も調節できるなんてエアコンいらずで楽でいいや。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます