第46話 生狛ダンジョン低層③
三階層の戦利品は十一匹中魔石六個、皮二枚、牙一個、スクロール一個、そしてハズレ一回。
ペットボトルを倉庫にしまう。倉庫だと冷たさキープできるのだ。
休憩を終え、階段を降りる。四階層ではリトルウルフ、灰色の狼が出た。ここに来て色違いではなく、サイズも大型犬並みにデカくなった。
=【コモン・リトルウルフ】【魔石50%・皮10%・爪10%・牙10%・アイテム10%・なし10%】=
《魔物鑑定》では同じコモンだが、協会の設定する脅威度は3という事で今までのモンスターより一つ上になる。
モンスターの脅威度の上がり方で階層の深さを推測することができる。たまにイレギュラーなダンジョンもあるが。
そしてダンジョンマスターのいるダンジョンは、複雑な設定が可能なので必ずイレギュラーダンジョンになる。
……とは限らない。怠惰なダンジョンマスターなら初期設定から変更しないし、イレギュラーだからと言ってもダンジョンコアによっては設定を組み替えるから。
裏山ダンジョンは出来立てホヤホヤで、基本のまま。まだいじれるほどリソースが溜まってなかったから。
ここは裏山ダンジョンよりモンスターの脅威度の上がりが遅いので、多分十五階層はありそうだ。
そうするとダンジョンランクは下から2番目のGになるのか。
裏山ダンジョンは最低のHランク。だから踏破できたんだけどな。十階層以上だったら今頃俺はどうしてたのかな。
ま、そんな仮定は考えなくていいか。
四階層では
ここに来て足元だけでなく頭上にも注意と言いたいところだが、落石のスイッチは床にあるのだ。
よく見れば少し色の違う石のようなぽっちを踏むと、頭上から石が落ちてくる。
全力疾走で駆け抜ければ石にあたらずに進めるが、その先にスリップがあったりする。だが俺は……
「そこにスイッチがありますにゃ」
タマは優秀なスカウトだった。
スキル《サーチ》がようやくⅠからⅡに上がったが、罠探知はⅢじゃないと察知できない。今はレベルが低くて生物しか探知できないんだよな。おかげでモンスターや探索者の接近がわかるけど。
四階層でも一度他の探索者をやり過ごす。
他の探索者を避けたら、道を間違えた。ちょっと戻らないと。
図書室の端末からダウンロードした地図は四階層までしかない。これ一般探索者だと有料なんだよな。
地図作りを専門にやる一般クランもあるんだが、消失推奨のダンジョンは低階層しか作られないことが多い。
地図は歩合制なので購入者が多ければ多いほど儲けになるが、消失推奨と決まってしまえば、そう遠くないうちに購入者がいなくなる。
手間暇かけて、儲けが少ないものを作る奴はいない。
ここも四階層までは作ったが、それ以降は作られていないのはそういうわけだ。
五階層以降は自作しなければならない。まあ、《マッピング》スキルがあるから作るというか、歩くだけだけど。
「そこにスネアがありますにゃ」
おっと、踏むところだった。危ない危ない。
ようやく五階層へ降りる階段に到着した。
リトルウルフとは八回のうち、二回はタマに譲った。ドロップは魔石5、皮1枚、爪1、そしてアイテムはローヒールポーションが一本でた。
これで俺の手持ちのポーションはローヒール二本と毒消し一本になった。
五階層は中ボスが出るのだが、誰かに倒されてるかな。さっきの探索者とか。
いや倒してたら転移オーブで戻るから違うかな。
階段を降りながら、そろそろ夕食の時間だよな中ボス前にするか後にするか考えていた。
「ん、ああボス部屋しかないタイプか。じゃあボス戦の後に向こうでゆっくり食べよう」
階段を降りまっすぐ十メートルほど伸びる通路の先に、閉まったままの扉があった。
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