第41話 ダンジョンとリソース
まあ、いろいろ論じられているが今もこのダンジョンエネルギーに関しては解明されていない。
ダンジョンエネルギー=魔素とする説もあるが、それも大間違いである。
どちらかといえば魔素はリソースを変換するときに出る副次的エネルギーでもある。
確かに探索者やモンスターの命もリソースに還元されるから、全くの間違いではない。
生物の死により得られるリソースは多いが、生物がダンジョン内で活動することでリソースとなるエネルギーが生成されるのだ。
なんと、ダンジョン内で人間が思考するだけでもその思考エネルギーからリソースは得られる。なんてクリーンエネルギー。
また、対象は人間だけでなく動物でも、モンスターでもよかった。
なので入口を閉鎖してしまい、生物が入ってこないうえ、モンスターのポップを中止し、さらに昨日改装に使ったことでモフィ=リータイダンジョンはリソースが不足しているのだ。
ただ、あまり長期にモンスターを放置すると、モンスター同士の殺し合いが起こり、強い個体や変化する個体が出てしまうのでリポップを中止していた。
しかし不足は如何ともし難い。
『とりあえず、モンスターポップを1/10で、再開』
これは1階層あたりの最大ポップ率の10%で、と言う意味だ。
『それと当分売れそうにない小爪リスとツインテールキャットの魔石をリソースに還元する』
これで少しもつかな。
いずれ何処かに
それにはまだまだリソースが不足しているのだ。リソースを得るためにリソースを使わないといけないとは、ダンジョン経営は自転車操業である。
ボス部屋ちょっと改装しただけでリソース不足を起こすのだから。
いやちょっとじゃなくかなり改装したことになるのかな。
週末の予定としては、明後日の土曜の朝、生狛ダンジョンへ行くつもりだったのだが、明日の授業が終わり次第向かい、二泊三日の予定に変更した。
できれば生狛ダンジョンを踏破したい。
学校では、というか世間一般的にダンジョンを踏破した場合、ダンジョンコアに触れて〝存続〟か〝消失〟を選べると言われていた。
確かに最初の選択肢は〝存続〟だ。踏破した時点からダンジョンが成長しなくなり階層数はそのまま据え置き、
モンスタードロップはあるが
JDDSの各種施設が作られたダンジョンはこの〝存続〟されたダンジョンだ。迷高専も存続ダンジョンの中にある。
二つ目の選択肢が〝消失〟で、これを選んだダンジョンは無くなったと思われている。
実は〝消失〟はダンジョンの入り口の消失なのだ。入り口がその場所から消えるが、本体のダンジョンが消えたわけじゃない。ダンジョンは休眠期に入り、時間が経てば別の場所に新たな入り口が生まれるのだ。
この時間はまちまちで、数時間の時もあれば数年の時もある。
場所も近くだったり、他国だったりと様々だ。
今までは新しいダンジョンが現れたと思っていたが、実はどこかの〝消失〟を選択されたダンジョンの入り口が、別の場所で復活していただけだ。
そんなわけで〝消失〟させても世界中のどこかで新たなダンジョンの入り口が生まれるから、厳密には〝ゲートの消失〟なのだ。
そして選択肢は他にもあった。
実際は誰がダンジョンを踏破するかにより選択肢が変わる。
二人以上の集団で踏破────〝存続〟と〝消失〟の二択。
ソロで踏破────〝運営〟が増え三択。
ダンジョンマスターが踏破────〝吸収〟が増え四択になる。
ちなみに〝吸収〟するとそのダンジョンは〝消滅〟する。
〝吸収〟されたダンジョンコアは復活することはないので、新たなダンジョンの入り口が生まれることはない。
そしてダンジョンコアに蓄えられたリソースは、吸収したダンジョンマスターのものになる。
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