第40話 リソース不足

 章題を変更しました。

【Ⅰ】を、【1章】、【ⅠとⅡの間】を【Ⅱ章】としてあと数話ほど追加します。

 短編【Ⅲ】と内容が入り混じってますので短編に合わせるのをやめました。

 普通に1章2章〜と順番にします。

【Ⅱ】として書き上がっていた部分を修正して投稿してますが、もしかして設定修正し切れてなかったらごめんなさい。

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 大坂ダンジョンは裏山ダンジョンと同じモンスターが底階層に出現するのだ。

 そのことを利用して《倉庫M》にしまいっぱなしのドロップ品を売却した。

 たった三時間(実質探索時間は二時間に満たないが)で税抜き一万三千百十円を稼いだ。

 ほとんど大坂ダンジョンじゃなくて裏山ダンジョンのドロップだけどな。


 今回は五階層までで終えたが、しかも中ボスはリポップしてなかったし、単純に大坂ダンジョンだけの稼ぎとすれば全く足元代にもならない。

 ここの五階層までは新人の戦闘訓練向きと言われており、稼ぐには全く向いていないことを実感した。


 と言っても実質二時間のうち戦闘より移動メインにしていたのだからそんなものか。

 あまり一気に潜りすぎても、しかも短時間で五階層に到達するのも怪しまれそうだしな。


 今後もこう言う風に時間を潰すなら、もっと居心地よくしたい。そんな気持ちでマイボス部屋ををちょっと改装してみた。時間としては一時間くらい。


 結果三時間ほど探索しましたと言う風に装い、大坂ダンジョンの一階層に《階層転移》で戻った。中ボス部屋の転移オーブを使った感じに見えるので、ダンジョンを出る時は気にせず《階層転移》が使えるな。


 帰りに早速手に入れたお金で、マイボス部屋に置いておくものを買い込んでからアパートに戻った。


 今日はダンジョンで過ごしているからある程度魔素が溜まっている。

 一度だけなら倉庫を使えるだろう。アパートに帰ったらマイボス部屋に持ち込む荷物を整理しよう。




そして翌日の金曜日、午前の座学の授業中のことだ。


『ヤマト様』

『どうした?』

『リソースが不足しておりますにゃ』


 俺に念話でそう告げてきたのは裏山ダンジョンモフィ=リータイの元コアで現在俺のガーディアンを名乗る子猫のタマである。

 実際はホワイトタイガーという脅威度7のモンスターを素体にしたガーディアンモンスターで、大きさは牛ほどもあるのだが、最初はエネルギー? 不足で子猫サイズだった。

 時間が経って元のサイズに戻れたのだが、それだとじゃ、ゲフンゲフン。ダンジョン外では差し障りがあるので、俺が「小さくなれるか」と聞いたら「慣れますにゃ」と、子猫サイズでいてもらっている。

 ダンジョン外では子猫サイズの方がエネルギー消費を抑えられる……というだけではなく、子猫スタイルが存外気に入っているようだ。


 この会話はダンジョンマスタースキルの《念話M》を使用しているから、周りには聞こえない。 ダンジョンマスターとガーディアン間で使えるスキルだ。

 さらに《ハイドシャドウ》というガーディアンスキルでマスターである俺の影に潜んでいるから姿も見えない。


『昨日ボス部屋の改造にリソースを使いすぎたか』

『それだけではないですにゃ。ダンジョンは改変中であってもある程度モンスターを配置するのですが、現在リポップを中止しておりますにゃ』


 ダンジョンのリソース。それはダンジョン内にモンスターやトレジャーボックスを生み出し、ダンジョンの構造変化を起こして成長させる為に必要なエネルギーだ。

 リソースを得るためには生物がダンジョン内で活動する必要がある。


 世間一般で論じられているダンジョンを維持するためのエネルギーダンジョンリソースは、実は間違っている部分が多い。


「ダンジョンを維持するためのエネルギーは、ダンジョンに入った生物が死ぬことで得られるのではないか?」という疑問はダンジョンが出現した頃から論じられていた。

 そう、ダンジョンは〝命〟を欲している、そのためにモンスターを配し、人間を呼び集めている、という説。


 ダンジョンは探索者の命で賄われているのでは、という説は初期の頃ならわかるが、現在では踏破され存続されているダンジョンでは探索者の死亡は激減しているのにも関わらず、モンスターは沸き続けるためこの説は否定されている。

 反対に「モンスターの命が必要なのでは」と言う説も出たが、これはエネルギー的な釣り合いが取れないと言うことで否定された。


 モンスターを生み出すエネルギーより、死んだときのエネルギーが多くないと採算が取れないのだが、モンスターはドロップを残すことから、モンスターの命はドロップへと換算するとどうしても、合わないと言う。


 仮想の数値でそこまで計算する数学者とか学者ってすごいよな。


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いつの間にかPV10万超えてました。

拙作をお読みいただきありがとうございます。



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