第39話 初日探索終了
えーっと?
ちょっとボス部屋の改造をすることにした。
中にパーテションのように壁を作っていくつかのスペースを作る。あまりやりすぎるとリソースを使いすぎるので少しずつだ。
まずは二メートルかける三メートルの広さを五十センチほど隆起させ、芝生状の草を生やす。
これをベッドがわりにして寝転ぶ。草がクッションになってふかふかで寝心地がいい。
次は洗面器サイズの小さな泉。あふれた水を下の窪みで受ける二段にして、下は洗面や手洗いに使えるようにした。
トイレも欲しいけど排泄物の処理をどうするかなんだよな。
「ゴミは【底なし沼】に捨てるようにすればいいですにゃ」
底なし沼か。ダンジョンの底なし沼はトラップの一つだ。そこにハマったものはなんでもとかして吸収するため、いろいろ説はあるが、最新の【迷宮指標】にはオブジェクトタイプのモンスターと書かれている。
あれはリソース回収のための罠の一つで、モンスターではないんだが。まあ教えてやるつもりはない。罠だろうがモンスターだろうが、ハマれば溶かされることに変わりはない。
便器の下に小さい底なし沼を設置すれば、トイレ問題は解決である。
とりあえず床の形を便器型にすれば、すぐに使え……あ、トイレットペーパーがなかった。今度持ってこよう。
ダンジョンによっては温泉が湧いているところもあるので、いつか風呂がわりに作るのもいいな。
リソース食うから今は作らないけど。
そんなこんなでダンジョンボスの部屋を快適空間へ改造して一時間ほど経過した頃、リュックを背負い刺身包丁と鉈を《倉庫》にしまって、大阪ダンジョンの一階層へ転移した。
難易度1のオニネズミとラビットとサバンナキツツキの魔石は一つ百円、31個で三千百円だ。
難易度2のサバンナスリカータ、ビッグフット、カンガの魔石は一つ二百円、24個で四千八百円。
ラビットの皮はコモン☆☆で二千円、ビッグフットの皮はコモン☆☆☆で三千円で2枚ずつ売却して一万円。
合計一万七千九百円の税金1割引かれて一万六千百十円、武器のレンタル料三千円引いて一万三千百十円也。
一日というか、半日の稼ぎとしてはそこそこか。まあ、裏山ダンジョンのドロップ品を足してるからだけど。
これがここ、大坂ダンジョンのドロップ品だけだとそうはいかない。
ソロで半日の稼ぎなのでちょっと驚かれたが、迷高専の学生だといえば納得された。まさかHクラスだとは思わないだろうけどな。
だけど今日大坂ダンジョンで十五匹のモンスターを倒したが、ドロップは魔石のみ。大坂ダンジョンのドロップ率ってかなり悪いんじゃないだろうか。
いや学校の方もそんなにアイテムも素材も出ないよな。裏山ダンジョンのドロップ率が良すぎて感覚が狂ったかも。
明日の金曜日に一日学校へ行けば、その後の土日の連休は少し遠いが生駒ダンジョンへ行くことにしている。
日帰りで二日通うつもりだったが、改造ボス部屋で泊まれば夜営も楽ちん、安心して休めるのではないのだろうか。
あっちはスキップゴートやビープシープが出るのだ。どちらも難易度4のモンスターなので単価が高く、稼げる予定だ。
二日分としたら結構稼げるはず。武器はレンタルせずに刺身包丁でいいかな。明日武器登録しよう。
この後真っすぐアパートに帰るつもりだったが、一泊できるようにいろいろ買い物して帰るか。
幸い軍資金はある。
俺はホクホク顔で大坂ダンジョンを後にした。
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【2020/11/26】追記
次章執筆中に考えるところがありまして、章題を変更しました。
そしてこの39話は章の終わりではなく、もうちょっと続きます。
次話の40話は11月27日0時に投稿します。
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