第36話 大坂ダンジョン
学校のダンジョン外施設は様々な一般高校として必要な、でも探索者でなくとも入れるような事務関係とかもある。図書室はオンライン設備が必要なため外施設にあるのだ。
学校の図書室にはDDSの情報を閲覧できる端末がある。
これでWDDS加盟国のダンジョン情報が調べられる。踏破階層や一般探索者が入れるダンジョンの場所、出現モンスターの種類などが閲覧できるのだ。
ハンターランクによって制限がかかるものの、迷高専三年度生はダンジョンの地図なども閲覧できるのだが、一般探索者Hランクと学生としてのIDでは学生の方が閲覧できる情報が多い。
Hランクだと1階層の地図しか閲覧できないのだ。
「近場のダンジョンで……うちと同じ、獣タイプが出るダンジョンは……」
俺が探しているのは裏山ダンジョンと同じモンスターの出るダンジョンだ。
そこへ潜って今持っている素材を、さも今狩って来ましたよというフリをして換金しようと思っている。
早く爺ちゃんに包丁代を渡さないとな。
「ツインテールキャットは出ないがラビットとビックフットが出るのか。こっちはハウンドウルフ……うーん」
一番良さそうなのは五大ダンジョンの一つでもある大坂ダンジョンだ。第二候補は東大坂か生狛ダンジョンだな。
「東大坂は消失禁止ダンジョンで生狛ダンジョンは消失推奨ダンジョンか」
消失禁止ダンジョンは未踏破ダンジョンで、協会が存続で決定しているダンジョンだ。あそこは各種鉱石が取れるので、東大坂の物作りに有益なのだ。
反対に消失推奨ダンジョンは、踏破したものが消失させて良いことになってる。
まあ、とりあえずは大坂ダンジョンに行くか。
武器は包丁と鉈なので、武器は現地でレンタルするか。
大坂ダンジョンの無料公開マップをプリントアウトして、図書室を出た。
大坂ダンジョンの低階層はフロア型ダンジョンなので、地図と言っても大したものは載っていない。階段の場所とポップモンスターの名前くらいだ。
午後の授業は出席は取れているので、早めに帰宅しても問題はない。
「今から行けば三時には向こうに着くし、アパートだから門限なしで終電近くまで探索できるかな」
そしてそのまま学校を出て駅に向かった。
駅のトイレで私服に着替え、防具を入れたリュックを背負う。
そこに持っていたかって。タマにもたせていたのさ。
通常のスキルはダンジョン外では使えない。俺の持つスキルもそうなのだが、なぜかタマの《シャドウハイド》だけは使えるのだ。
そしてハイドするときに荷物を持ってもらうと、その荷物ごと影に沈むことができる。
若干俺の疲労度が増えるのだが、それくらいはね。
タマがダンジョン外で《シャドウハイド》が使える訳は、俺から魔素を供給しているからなんだとか。
俺が長い間ダンジョンに入らなかったら、俺の体内魔素が枯渇するのでそうなったら《シャドウハイド》ができなくなるんだとか。
なんでタマ自身の魔素じゃなくって俺の魔素を使うんだよ、自分のを使えよと思うが、《俺の影》だから俺の魔素がいるんだ。なんだよそれ。
公共交通機関を使って、一時間ほどで大坂ダンジョンに到着した。
午後の中途半端な時間なので、協会受付は空いていた。大抵日帰りの探索者は朝一から潜る。特に大坂ダンジョンの低階層は初心者が多く、中堅どころは十階層以降をメインに活動するからだ。
ここは武具のレンタルや、入ダンジョン手続きをするカウンターが並んでいる。俺は受付で入ダン申請をして武器を借りる手続きをした。
素材の買取はまた別の扉から入る。
「滞在予定は六時間、武器のレンタルはアイアンソードでよろしいですか? 防具は必要ありませんか」
「ああ、持ってきている」
「では346番のロッカーをご使用ください。武器は貸出窓口でライセンスを提示してください」
係員から更衣室のロッカーナンバーのカードをもらって着替えに行く。探索者免許はlCチップ内蔵で、受付で手続きすることでロッカーのセンサーに翳せば解錠される。そしてレンタル窓口でも、ここで登録を済ませば
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土地名は実際の名前から漢字を変えております。誤字ではありません。
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