第32話 始業式の日
【2021.01.24】少し学校設定変更しました。
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残りのサンドイッチを詰め込み、コーヒーは蓋をしてカバンに突っ込んでバス停に向かって走った。
口をもぐもぐと動かしながら、バス停に向かって走る。すでにバスは止まって乗客の列を飲み込んでいる。
咀嚼しながら走ると呼吸困難を起こすかも? なんて思ったがレベルが上がった効果か、いつもより身体が軽いことにちょっと驚く。そういえばダンジョンの外で走ったりとかしてなかったな。
裏山ダンジョンで倒したモンスターの数は、昨年授業で倒したモンスターの数を軽く超えていた。
「体力測定、いいとこ行くかも」
最後尾に並ぶ前に飲み込めた。さすがにバスの中でもぐもぐはちょっと。
さっきの女子もすでにバスに乗り込んだようだ。行き先一緒だし当然だな。
バスの中には迷高専の学生と、協会職員が多い。まあ、このバスダンジョン周回コースを走る奴だからな。
迷高専のあるダンジョンはJDDSの支部もあるし、近くにダンジョンもある。そこから少し遠いが日本五大ダンジョンの一つ、大坂ダンジョンが終点だ。探索者も乗っている。
探索者は皆揃いのケースを背負っている。
大きさはまちまちだが、あれは武器ケースだ。
探索者は武器を持ち歩く際、専用の武器ケースに入れなければならない。出ないと銃刀法違反で捕まる。
あれの鍵は特殊で、協会のウエポンキーシステムを使ってでしか開けることができない。
ウエポンキーシステムはダンジョンとJDDSの建物、そして認可を受けた武器職人やショップに置かれている。
ケースをウエポンキーシステムにセットして、自分のライセンスカードを差し込み、暗証番号を入力してさらに指紋認証で開けることができるのだ。
ちなみにケースは格安でレンタルできるが、購入するとバカ高い。
「次は、第三迷高専前、第三迷高専まえ~」
あ、次降りなきゃ。でも俺が降車ボタン押さなくても誰かが押してくれた。
さて、今日から多少のクラスのメンツは変わっている。三年度から一クラスの人数が減ったのと、成績でクラスが分けられるからな。クラス分け表はズバリ成績表でもある。見なくても学年最下位の俺はHクラスだがな。
普通科やサポート科に転科したやつを除いてだ。二年度の最下位だったわけじゃない。
そこは間違えないでもらいたい。自主退学したものもいる。
一、二年度は一クラス40名で探索科五クラス、普通科一クラス、サポート科二クラスで合計320名だ。
しかし三年度は探索科は一クラス20名でAからHの八クラス、普通科が40名二クラス、サポート科は各部一クラスで医術部と薬術部が各10名、技術部40名、魔素学部が20名と分かれる。
三年度進級時に探索科やサポート科を諦めた奴が普通科に転科する数が一番多く、人数が倍の80名で二クラスになる。
普通科は卒業前に職場の斡旋をしてもらえるし、高校卒業資格と探索者免許(Gランク)をもらって卒業する。
探索科を三年で卒業する場合は普通科とほぼ同じだが、探索者免許がGより1ランク上のFランクがもらえるという点が異なる。
これは一年間受けた実技と実践授業の差だな。
一クラスの人数が半分になるので、一般科目の授業は内容により40人になるようクラスを合併して行われる。
サポート科については医術薬術魔素学の偏差値高い組が一クラスに集められる。
選択授業は実技授業の場合、戦闘力で分けられるためAからFクラスまでとG以降と普通、サポート科の四クラス共同で行われる。
探索科のみ各学期末試験の成績でクラス替えがあるから、クラスが上下しても共通科目では同じ教室で受けられたりする。
四年度になると普通科がないのでさらに減るが、トップダイバーになることを諦めたやつや、医学部と薬学部でのスキル受託の可能性が乏しかったりする奴が、一般の大学に編入したりして五年度に進級しないものも出るので、5年度まで残るのは100人を切るのだ。
進級前は三年度の卒業も視野に入れていたが、今は別の意味で三年度の卒業もありかと思っている。
今の俺には他の探索者にない力があるのだから。
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場所を決めてなかったのですが、第三迷高専は大阪にしました。
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