第25話 制覇

【2021.01.08追記】

制覇と踏破について

 自分でもこんがらがっていたので、世界設定として決めました。

制覇:ダンジョンコアまで行き着き選択肢を選んだこと。例)制覇済みダンジョン

踏破:未到達エリア、階層などに到達したこと。例)踏破階層


 随時修正する予定です。

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「ダンジョンコアだ」


【迷宮指標】に記載されているとおりの形状だ。

【迷宮指標】は教科書として授業にも使うので、迷高専の学生は最新版の購入が義務付けられている。

 一般で購入するよりもかなりお安い価格ではある。初年度は無料だしな。

 中にはグループで一冊購入して新規部分だけ書き写したり、コピーする奴もいる。

 俺も二年度はじめはハブられてなかったから、仲間に入れた。

 来年度は個人購入だな。

 ああ、明日始業式終わったらすぐに売店へ行かなきゃ。早いやつは年度末に購入してて在庫きれてたりすることがある。


 そんなことを考えながら、ボーリングの珠にも似たダンジョンコアへと、恐る恐る近付いていく。


「えっと、制覇するとダンジョンを存続か消失かを選べるんだったな」


 春休みが終わり俺の単独探索が終われば、ていうか明日父さんが近くのJDDSに連絡することになっている。

 けれど……


「敷地内にダンジョンがあるのって、協会やらなんやらがうるさいし、消失させた方がいいかも」


 ダンジョンを全部回ったわけじゃないし、宝箱も探していない。隠し扉とかもどこかにあるかもしれない。

 もったいない、もったいないけど、裏山ダンジョンの入り口はうちの敷地の中にある。


 新規発見されたダンジョンはJDDS専任探索者がまず調査に入る。それが済むまで周囲は立ち入り禁止になる。

 それは自宅から一時撤去を余儀なくされる。多分畑も範囲内だ。


 そして調査が済んで裏山ダンジョンが一般解放されたら、うちの敷地を分断する様に道とか造られてしまう。

 最初は「敷地内にダンジョンって便利ぃ」とか思ったが、俺以外の一般の探索者も出入りすることになったら、家の方の用心が悪いんじゃないか。

 敷地近くにダンジョンができたことで地元住民とトラブルになった話は枚挙にいとまがない。


 仕方ないかもと思っていたけど、避けられるなら家族にトラブルは不要だ。


 俺は目の前にある黒いボーリングの球のようなダンジョンコアに手を置いた。するとコアルームにアナウンスが響いた。


『モフィ=リータイ・ダンジョンが単独制覇されました。制覇者は次の選択肢から選んでください』


 どこから発せられているのかよくわからない。このアナウンスはダンジョン内のどこにいても聞こえるらしい。

 ただ、ここから一部の内容はコアルーム限定なのだとか。

 そしてアナウンスは続く。


『一つ、存続を選択。ダンジョンは現階層数を維持し、以降成長することはありません』

『一つ、消失を選択。開封中のダンジョンゲートが消失します』

『一つ────


 あれ、三つ目? 選択肢が存続と消失以外にもあるのか? そんなの習ってないぞ。


『────運営を選択。ダンジョンマスターとなり、このダンジョンの主としてダンジョンを運営します』

「はあ? 運営? ダンジョンマスター? なんだそれ!」

『選択を確認しました。私はモフィ=リータイのダンジョンコア。以後よろしく』


「……え、あ、俺選んじゃったの? エエェぇ? どうしよう……」


 俺、ここのダンジョンマスターになっちゃったかも。


『かもではありません。あなたは正真正銘、モフィ=リータイ・ダンジョンのマスターです』


 やっぱり、ダンジョンマスターになってました。





────1章 終わり────



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大和スキル

《ライト》(熟練度のない固定スキル)

《アイテム鑑定Ⅱ》

《マッピングⅠ→Ⅱ》

《サーチⅠ》


大和装備

五菱のリザードシリーズのベスト(上半身)

五菱のリザードシリーズロングブーツ(足)

刺身包丁(右手)

鉈(左手)

ジャンピングワラビーの腹袋(腹部)

ウエストポーチ(腰)

ローヒールポーション(ウエストポーチ内)

解毒ポーション(ウエストポーチ内)


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後書き

 

 

 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 拙作はここで一旦完結とさせていただきます。


 この作品は2019年8月に〝なろう〟の方に短編としてアップしたものの連載版です。

 短編とは設定とか変更してるので同じではありませんが。

 かなり説明くさい文章大量です。

 設定の説明ぶち込みまくりですが、ダンジョンものの設定ってボチボチ公開していくものなんでしょうが、元が短編で、今回も長編ではないのでどうしても入れないとわかりにくいかなって思いました。


 元々この作品は〝加護2人分〟の書籍2巻の改稿中に「無性に別の話が書きたくなる病」を発症させて出来上がったプロットでした。

 2巻の作業中ということは2018年の春ごろですね。

 その時は設定作りでほぼ終わったのですが、去年の5月ごろ〝加護2人分〟の書籍5巻の改稿中に「無性に別の話が書きたくなる病」が再発、でも書ききれる自信はなく短編という形で〝なろう〟にアップしてます。


 因みに3巻時は別のプロット作ってました。4巻の作業中は〝英雄の息子は辺境の孤児院でたくましく生きる〟を書いてました。エタってますけど。



 短編は「Ⅱ」もありますが、そっちは今年の6月に〝加護2人分〟の書籍6巻の改稿中に「無性に別の話が書きたくなる病」が発症した結果です。


 まあ詰まると別の話考えて頭リフレッシュさせてるんです。そうです、嘘じゃないです。


 今回書き上げたのは、〝加護2人分〟のWEB版のネタに詰まったのと書籍7巻の該当部分の設定齟齬の修正作業により「無性に別の話が書きたくなる病」が発生した次第であります。


 こうして振り返ると最初にネタ作ってから2年以上たってるのか。


 今じゃ現代ダンジョンもの溢れまくってますね。好きなジャンルではありますがなかなか読むのはいいですが、書くのは難しいです。リアルとの兼ね合いがね。


 今回は短編Ⅰ部分で完結としてますが、いつか短編Ⅱの部分も書けたらいいなって思ってます。


 琳太には珍しく25話まで書き上げてから投稿してます。

 Ⅱを投稿する時も書き上げてからになると思います。


 そして書きかけの短編Ⅲもあったりして……



 それではいつかまたお会いできる日を夢見て~( ´ ▽ ` )ノ



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