第24話 ボス戦

申し訳ありません。ミスって25話を先にupしてしまいました。

14日にupするつもりでしたが予定繰り上げました。

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 裏山ダンジョンアタック五日目、春休み最終日で夜には向こうに戻らなきゃならない。

 明日は始業式と午前中に一限だけ授業がある。今日は入学式だが三年度生以降は出席義務はない。


 三日目に五階層まで二時間かかっていたのに今では一時間かからない。昨日の多対単戦闘で結構レベルアップしたのではないだろうか。


 五階層のジャンピングワラビーは復活していなかった。インターバルは四十八時間以上か。できればもう一回やっときたかった。


 今日は十階層のボスを倒して終わりになるだろう。昼には帰らなきゃならないからその先を探索している時間はない。

 この四日間で俺の身体能力はかなり上がった。ボスを倒せばさらに上がると思う。


 そして十階層の石も扉前に到着した。ポーチの中のポーションを確認してから、両手の武器を握りしめた。

 扉を軽く押すと、その後は勝手に開いていく。


「ライト」


 暗闇に灯りを灯す。そこは五階層の中ボス部屋より広かった。

 そして正面には白地に黒い縞。牛ほどのサイズの白虎がゆっくりと立ち上がりこちらを睨んでいる。


「ギャワオオォォ……」


 叫び声に物理効果があるのかと思うほど、肌にビリビリっときた。

 だがこいつに勝って、俺は力を付ける。

 今回はこっちから行かせてもらう。俺は白虎に向かって走る。正面ではなくサイドへ、横から足の一本もいただくつもりで勢いそのまま突っ込んでいく。


「シャアッ」


 白虎は予備動作もなく横にはねる。その時俺めがけ前足を振るった。


 ギャンッ!


 鉈と爪が擦れ嫌な音を立てる。


「いつもと逆のパターンだな。たまにはありだろ」


 そして俺は白虎を追いかける。


 どれくらい追いかけっこをしていただろう。

 流石に息がきれ、白虎より距離をとる。


 俺の攻撃は何度か届いた。奴の後ろ足にはいくつかの浅い傷と一つの深い傷。

 持ち上げた片足から血を流しながら、かなり動きの鈍くなった白虎と睨み合う。


「そろそろ終わろうぜ」


 大きく息を吸い、白虎に向かってダッシュ、だが直前で右に飛び白虎の攻撃を交わす。

 そのまま逃げると見せかけ、腹の下へ滑り込む。


「ギャワオオォォ」


 初めの雄叫びとは違う悲鳴の様な雄叫びを上げる白虎。


 腹部を鉈と刺身包丁で切り裂かれ、うずくまる。


「楽しかったぜ、じゃあなっ」


 言うなり飛び上がり、刺身包丁を延髄にぶっ刺した。


「ギャオォ……」


 尻すぼみの叫びに合わせる様に、白虎の身体から力が抜けていく。そして黒い粒子に変わっていった。


「よっしゃあっ!」


 十階層ボスを倒し、思わずガッツポーズをとった。


 そのまま後ろに倒れ込んで、大の字になって呼吸を整える。

 白虎は結構脅威度が高いはず。ただ白虎はサイズが存在するタイプのモンスターで、こいつは小さい方だと思う。

 ボスの中にはサイズ違いが存在するモンスターがいる。

 取得経験値も違うし、ドロップ品のランクも変わってくる。だいたいはドロップ品のランクで見分けるんだけどな。


「ふう」


 落ち着いたところで、ドロップ品の回収だ。


「さてさて、お、二つある」


=【エピック・アイテム】《ホワイトタイガーの皮》=

=【エピック・アイテム】《ホワイトタイガーの牙》=


 ホワイトタイガー……うん、日本語じゃ白虎で間違いないし。


 白虎の牙は武器の素材になる奴だ。グレーウルフの牙より大分良いものが作れるはず。

 牛サイズのモンスターだったが、ドロップした皮は若干小さいか。


「でもこれ一枚でコート作れそう。虎縞のコートって大坂のおばちゃんみ見たいかな」


 刺身包丁も回収、回収っと。


「ああっ、先欠けてるぅ」


 延髄に負けた様だ。爺ちゃんごめん。


 いつの間にか奥の扉が開いていた。もう戻らないといけないが、せっかくだからちょっと覗いていこう。

 扉の向こうは通路になっていた。


「階段じゃない?」


 と言うことは……

 

 先には装飾過多な石の扉。大きさは普通の玄関扉サイズだ。

 

 このダンジョンは十階層難易度初級のダンジョンだった。

 ダンジョンランクは最低のHになる。



 ボス部屋の奥にはコアルームがある。扉を開ければそこは円形のホールで、天井全体が発光しており、眩しいくらいだった。そして真ん中には「帰還オーブ」によく似た、けれど大きさは倍以上で、光を吸収する様な漆黒色。


「ダンジョンコアだ」


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