第16話 ダンジョン探索開始
そして俺は翌日から裏山ダンジョン(命名:ひな)に挑戦した。
出来たばかりのそのダンジョンは洞窟型ダンジョンで、世界中で一番多い型のダンジョンだった。
洞窟型とよく似ている坑道型のダンジョンとの1番の違いは〝灯りがない〟こと。これも試験にでる。
坑道型は謎の灯りが壁や天井に設置されている。松明とか燭台にオイルランプで電球とかはない。燃え尽きてしばらくするとまた新しいものが現れることから、これらはオブジェクトタイプのモンスターとして分類されている。
新しいものをリポップと考えたからだ。この明かり取り外すこともダンジョン外に持ち出すことも可能だが、燃え尽きるとそれで終わる。
ランプ型は燃料が切れたら使えないし、その燃料自体が油とかではなく、補充できないため一昔前はガワだけ利用してアンティークっぽいランプとして売ってたこともある。
今では持ち出して加工する手間とコストが釣り合わないので、持ち出す奴はあまりいない。
ダンジョンにはランクが設定されており、DDSの迷宮指標にはランク表もある。
ダンジョンランクは【深度】と【難易度】で算出されている。探索者ランクと同じ下からH、G、F、E、D、C、B、A、S、SSの10段階でだ。JからAでいいのになんでSとSS使うんだろうな。
【深度】1が十階層までで、2が二十階層までという感じで十階増えるごとに深度が1足される。最高は10の百階以上で、それ以上は何階でも10だ。
実際潜ってみなけりゃ最終階層が何階かなんてわからないので、未踏破階数が存在するダンジョンのランクは仮ランクで、踏破階数が進む毎に変更される。
完全踏破されていないダンジョンは階層が増えるからな。
次に【難易度】だ。
こっちは一階層に出るモンスターの【脅威度】で初級、中級、上級に区別される。
初級は驚異度0から1までのモンスターが出るダンジョン。中級で2から3、上級で4以上。
ただし一階層から脅威度5以上のモンスターが出るダンジョンは、今のところ見つかっていない。
裏山ダンジョンは一階層にラビットが出たので難易度は初級、今のところ階層数はわからないので仮初級1でランクはHというわけだ。
出来立てダンジョンはドロップ率が高いと言われているが、出来立てダンジョンなんて大体はJDDIの指定依頼を受けたクランとかしか探索できない。
だから体験した探索者なんてほぼいないと言っていい。
続け様にスクロールがドロップしたことで、それを実感できた。
おまけにドロップしたスクロールは《アイテム鑑定II》という【レア】の中でも欲しいスキルトップ10入りしている《鑑定》シリーズだった。
《アイテム鑑定II》のおかげでドロップしたアイテムの取捨選択ができ、《マッピングⅠ》のおかげで、無駄に迷走することなく探索を続けることができた。
ただ、刺身包丁を武器として使ってしまい、爺ちゃんがちょっと涙目になった。
いずれドロップ品を売却して新しい物をプレゼントする約束をしたことで、少し機嫌が治ったけど。
同じ鍛治師の包丁は年単位で待つ必要があるため、爺ちゃんは早速注文して婆ちゃんに怒られてたけど。
これ玉鋼っていう日本刀と同じ素材でできてて、10万円以上したらしい。
おかげでよく切れる。
毎日帰ると、爺ちゃんが手入れをするところをじっと見てくるんだ。最初にやり方を教わったけど、毎度毎度口出ししてくるのでやりにくい。
探索開始1日目はできるだけ先に進むことを目的に、階段を見つければ降りることを優先したため四階層まで到達した。
驚異度1のラビットを十匹倒すより、驚異度3のツインテールキャットを一匹倒す方が、経験値が多いのだ。
爺ちゃんの刺身包丁、何気に攻撃力高いっぽい。
二階層で驚異度2の小爪リスがでた。
大きさはラビットと同じだが、小爪と言いながら結構な長さのある爪で引っ掻攻撃や噛みつき攻撃をしてくる。
初撃を交わして刺身包丁を振り下ろすのが一番効率がいい。
寸前で交わすのを失敗すると、鋭い爪で足を斬られるのだが、五菱のリザードシリーズのブーツは小爪リスの爪攻撃を難なく弾いてくれるのだ。
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