第4話 スキルとレア度
【スクロール】には様々な知識や技術が記されていた。書かれている文字は読めないのだが、【スクロール】を開くと、そこにある知識や技術が直接脳にインストールされるのだ。
この知識と技術が【スキル】と呼ばれる特殊な力である。
現在では【スキル】はいくつかの系統に分類されている。
新しいスキルを発見すれば協会のスキルブックに名前が載り、報奨金も出るのだ。
【スキル】の分類は試験によく出るぞ。
〝問1、【知識スキル】を10個書け〟なんてやつ。
第一分類は【知識スキル】と【技術スキル】と【特殊スキル】だ。
【知識スキル】はズバリ知識、【技術スキル】は
【知識スキル】の有名なものは《薬学》だろうか。《薬学》のスキルは、様々なダンジョン素材から作られる魔法薬の調剤方法の知識を得ることができる。
現在は《薬学》スキル保持者により、魔法薬学が確立され、スキル所持者でなくとも薬を作ることができるようになった。【技術スキル】の《調合》を持つものは魔法薬の精製能力が上がる。
【技術スキル】の中でも戦闘に役立つものを【
物を造ることに特化したものは【
代表的なスキルは《鍛冶》《土木》《彫金》など。他にもあるが。
【知識スキル】と【技術スキル】の両方を兼ね備えた【職業スキル】もあるが、レア中のレアだ。
この【職業スキル】を第一分類に入れるかどうか検討されているが、俺が卒業するまで変更は待って欲しいものだ。試験用に覚え直さなきゃならなくなる。
最後は【特殊スキル】だ。これはダンジョン出現前には存在しなかった力をここに分類した。
【魔法スキル】が代表的なものだ。そう、魔法だ。
昔はフィクションの中にしかなかった魔法が、ダンジョンによって人類にもたらされたと、教科書にも仰々しく書かれている。
俺的には物心ついた頃には魔法は存在していたので、爺ちゃんや父さんほどの驚きはないんだが。
探索者には戦闘と探索に共に役立つ《炎系》と《水系》のような四元素系の人気が高い。
最近はこれも【魔法スキル】として第一分類にしようとする風潮もある。
探索者協会職員に人気なのは実戦系ではなく、知識技術系だけど。
しかし【スキル】も【レベルアップ】した身体能力も、ダンジョンの中でしか発揮できなかった。
研究者は様々な説をとなえたが、身体能力やスキルを使用するために必要なエネルギーが【魔素】であり、その【魔素】はダンジョンの中にしかない、というのが有力説だ。
ダンジョンから出れば【スキル】は発動しないが、身体能力はダンジョン内での能力値のおよそ1割ほどは上昇していることが今日では判明している。
スキルはドロップしたスクロールから取得できるが、装備品と言われるアイテムを使って発動することもできる。
ドロップ品にはレア度が設定されている。
能力による分類と思われがちだが、実は違う。かと言ってドロップ率なのかといえば……そんな感じがしないでもない。
レア度は【コモン】【レア】【エピック】【レジェンド】【ゴッド】の五段階である。
まあ【ゴッド】なんて本当にあるのかどうかってくらい見つかっていないが、この五段階は《鑑定》にかけた時に表示されるので、人がつけたランクではなく、ダンジョンがつけたランクなのだ。
このレア度に各々の国で付けられたランクがあり、売却価格などはそれによってだいたい察しがつく。
それぞれの国での需要度によって微妙に変わるランクで価格が違ってくる。日本では安いがアメリカでは高いとかがあるのだ。
価格は需要と供給のの差で変動が起こるので、レア度だけでは決まらない。時々オークションで思いもよらない金額が付いたりもするのだ。
日本ではこのランクが
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