16.ケース3)突如世界がファンタジー

1月は家族も自分もインフルエンザの猛威に根負けしていました。インフルエンザ、流行していますね。

ええ、言い訳です。ひと月以上も空いてしまったわけですから。


さて、ローファンタジーのお約束、最後のケースを見ていきたく思います。


3.突如世界がファンタジー

これはローファンタジーとしては少々特殊であると思います。

今住んでいるこの現代世界に「もしも」「(きっかけ)が起きたことで」「ファンタジーな世界となったら(能力、環境、etc)」を仮定することでファンタジーとなるわけです。厳密にはローファンタジーではないのかもしれません。

少々デリケートな問題ですが、例えば新たな神の子が誕生したことで世界に特殊能力が広がったり、悪魔召喚によって魔王がこの現代世界に降臨しても良いわけです。日本が舞台なら、それこそ新宿区の都庁に魔王が暮らしていてもいいですし、南極に根城があっても良いわけです。

ですので、お約束を考える前にまずはどこまでがローファンタジーであるか、という部分を定義していきたいと思います。


まず個人的には、国家制度が崩壊している場合は既にローファンタジーとして成り立たないと思っています。地形だけはそのままに、地名も異なる、現在の国家制度でないことから政治体系も異なる世界では、ましてやファンタジーな環境となっているのですから異世界ファンタジーと何ら変わらないのではないでしょうか。

逆に言えば、例えば新宿とかNY、ヴェネチアやバチカンといった地名がそのまま残っているのであれば、それはローファンタジーと呼んでもいいのではないかと思います。500年前は「東京」という地名も「アメリカ合衆国」という国もなかったのですから、今後100年先にそれらの地名があるという保証はありません。ですから、その地名が登場することで「現代世界のファンタジー」という雰囲気が色濃く出るように思えます。

ですので、国家制度が現行のままである(たとえ一部であっても)、という部分を前提にこのケースのお約束を考えると、いくつかのお約束が見えてきます。

以下にリストアップしてみましょう。

・主人公が日本人

・物語の始まり(もしくは終わり)が日本

・ラスボスが都庁や皇居にいる

・言葉が通じることが多い(言語の壁がない)


いかがでしょうか。全て当てはまらないものもあると思います。ですが、これらは全てある意味当然です。作者も読者も日本人なのですから。

主人公が日本人でなければ、やはり感情移入がしづらくなりがちです。また、より身近な地名をキーワードにすることで、物語自体がより身近に感じられるようになります。

例えば主人公がエジプト人で、ラスボスがアルゼンチンのどこそこにいる、という物語も見てみたいですが、やはりラスボスは新宿都庁に君臨している、日本国が暗黒に包まれている、という設定の方が多く見受けられるように感じます。


とは言っても、ことこのケースにおいてはある意味「何でもあり」な部分が多々あります。「お約束」と一括するにも定義が多くなりすぎてしまい、広汎性に疑問が残るようになるかと思います。

ですので、上記リストの中身がお約束の中の一部、ということで結論付けようかと思います。

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