12.ファンタジーと主人公の関わり方 その2
長々と雑談をして話を引き延ばす手法はあまり好きではありません。ですが、それをしないと毎日更新ができない、というジレンマに陥るのが目下の悩みどころです。
いえ、こだわりを捨てればいいのですけどね。
さて、前回のお話の続きです。現代ファンタジー(ローファンタジー)においてファンタジーと主人公との関係性に注目しています。
「吸血鬼一族の末裔の女の子」というキャラクターを仮定して、主人公との関係を例に挙げています。
1)女の子と幼馴染
2)赤の他人
3)生き別れの兄弟
4)クラスメイト
この4つのケースのうち、1つ目のみ解説をしました。今回は残りのケースを見ていきたいと思います。
2. 赤の他人の場合
商業ラノベでもよく見かけるシチュエーションです。顔も知らない、名前も知らないとある少女と出会った主人公。その少女は吸血鬼一族の末裔であった、なんて、ありふれた物語です。ボーイミーツガール物でもありますね。
一族の謎を追うでも良し、別の強大な敵に立ち向かうも良し。有名どころで言えば「灼眼のシャナ」なんかが挙げられるかな、と思います。
赤の他人である主人公と少女が出会う場面さえ描ければ、そしてそのまま行動を共にする理由さえあれば現代ファンタジーとしてある程度は成り立つのではないでしょうか。
3. 生き別れの兄弟の場合
このケースは少々特殊です。なぜなら、主人公の兄弟がファンタジーな存在であるのですから、主人公も同様にファンタジーな存在となりうるのです。両親のどちらかが異なる場合や、義理の兄弟であった場合であっても、「家族」という括りに入ってしまいますから、そのファンタジーな存在によって引き起こされるトラブルは自然と主人公も巻き込まれやすくなります。
4. クラスメイトの場合
このケースは2の「赤の他人」に非常によく似ています。異なるのは、「顔と名前を知っている」ですが、この部分の違いが非常に重要となってきます。
見ず知らずの他人であれば知識は白紙ですから、ギャップもなにもありません。どんな突飛な言動があっても、そんな人なのだという印象しか与えません。
ですが、クラスメイトであれば、「一般人」であったときをお互い知る存在です。例えば、クラスでは地味で目立たない、大人しい人、というイメージであった少女が妖艶な笑みを浮かべてこちらを見ていたりすれば、何かが始まるような気がします。
少々駆け足で解説をしていきました。
主人公がファンタジーな存在になる場合もありますが、こういった「巻き込まれ型」のケースであっても主人公の立ち位置さえ考えれば、どのようなファンタジーであっても執筆が容易であるのではないでしょうか。
もちろん、その後完結できるか、設定が破綻していないかなどの執筆者の力量にもよりますが。
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