召喚物考察

5.召喚物についての考察

 召喚物。最近特に「チート物」が流行っていますが、そうでなくとも昔から召喚物ってあったんですよね。

 で、まあ異世界もののお約束として以下があると思うのですが。


 ・剣と魔法の世界

 ・絶対的な悪役(魔王とか)

 ・主人公には超常の力(選ばれし者、みたいな)


 この三つは古今東西変わらないような気がします。

 勿論冒険するしないはあるし、悪役だって小物から大物までいますし、超常の力だって千差万別です。

 十二国記シリーズで言えば、魔法じゃないですがやはり特殊な力は出てくるし、主人公は王様になる為に召喚された、だったし(うろ覚え)。

 魔法戦士レイアースでは三人の女子高生が召喚されてその世界の「柱」を助ける話ですし。名前の通り魔法もありますし戦士だから剣もあります。

 甲竜伝説ヴィルガストも、主人公が勇者となって冒険して、ですよね。

 段々マイナーになってきましたが、有名どころって他に何があるでしょうか。


 最近で言えば、盾の勇者ですかね。

 伝説の武器に選ばれて、様々な問題を解決しながら敵を倒す。


 何で「剣と魔法の世界」が多いのでしょうかね。

 ファンタジーを確立したとされる作品達も全部見た訳ではないですが、「ゲド戦記」は魔術師のお話です。「指輪物語」にはドワーフ、ホビット、エルフが出てきます。日本人がイメージするそのまんまです。むしろここからイメージがきています。「ナルニア国」には喋る動物が出てきます。

 また、王政で統治されています。

 日本のファンタジーのイメージって、ここからきてるのかもしれませんね。後はゲーム。ドラゴンクエストがヒロイックファンタジーの代表作と呼ばれることもありますが、確かに世界観は中世欧羅巴をモデルとした世界で、剣と魔法があります。

 そして何より、絶対的悪を倒して世界を平和に導きます。「勇者」と呼ばれる主人公が一人で。

 そして、実はドラゴンクエスト、特にロトシリーズは転移物だったってご存知の方もいるのではないでしょうか。


 ちょっと複雑ですが、3→1→2の順番に歴史が動くのがロトシリーズです。

 3の主人公が自分の世界の魔王を倒して自分の世界は平和になったけれど、それより強い上司が異世界にいるからそれを倒すために異世界へ行って倒す、というのが3のストーリー。そして、その「異世界」で続く物語が1と2なのです。

 ゲーム考察はまた趣旨が変わるので簡単に済ませましたが、つまりは「異世界=剣と魔法の世界」という刷り込みがある、という部分も0ではないのでしょうか。

 特に、今異世界ものを書いている若い人はロトシリーズが完結している頃に生まれた人も多いでしょうし(3の発売は1988年。アラサーになりますよ)。てことは、書くに至るまでに影響を受けた(読んでいた)ものはロトシリーズ完結以後に書かれているのですから、そういった世界観が浸透しやすい世代だった、という訳です。


 ここまでドラゴンクエストを例に出していたのは、FFよりも早くに完成している、日本人のかなりの人数が知っているJ-RPGだからです。

 勿論影響を受けていない、という方もいるでしょう。異世界の物語でも、剣や魔法が出てこない物語も沢山あるでしょう。


 召喚と転移の違いも追々考察したいですが、とりあえず「異世界の人が何等かをして呼ばれた」のを召喚物と呼ぶのかなあ、と考えて。

 あれ、そう定義すると転移ものってほぼ召喚物と一緒? あれ?

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