2.エピックファンタジーとヒロイックファンタジー

 前回はハイファンタジーとローファンタジーについてスポットを当てました。今回は、ハイファンタジー、特にエピックとヒロイックについて考察していきます。


・エピックファンタジー

 エピック。叙事詩と言われるこのジャンルは、実は説明しづらいものです。

 一般には「戦記もの」と言われることもありますが、日本には叙事詩自体が存在しない、という説もあります。

 世界的に見ると叙事詩の代表作としては「ニーベルンゲンの指輪」「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」辺りが有名でしょうか。

 ファンタジーにおけるエピックファンタジーだと、ざっくり言えば戦記物が当てはまるような気がします。ロードス島とか。

 そもそも叙事詩って言うのが、「英雄や神々の功業を物語る」物ですから、魔王軍VS人間軍の構図で人間軍の方の勇者な物語なら、エピックにも入るのでしょうか。

 勿論その場合は冒険してーではなくて軍VS軍になるかとは思いますが。そう考えると、やはり戦記物=エピックファンタジーになるのかしら?

 勿論逆はそれだけじゃないとは思いますが。

 代表作としては「ドラゴンランス戦記」「ロードス島戦記」辺りが有名ですね。個人的には「デルフィニア戦記」もおすすめですが、これはまた他のシリーズも合わせるとエピックではないような気がしますが。


・ヒロイックファンタジー

 ヒロイックファンタジー。いわゆる王道もの。超常の力を持つ主人公が悪を打ち倒す、と言うものになります。勇者とか、冒険とか。

 ゲームなんかでイメージするのはこれになりますね。一騎当千の強者とか、超常の力に当たるでしょう。

 このヒロイックファンタジー、更に二つにわかれます。「指輪型」「ナルニア型」です。

 指輪型とは、トールキンの指輪物語。映画にもなったので、知っている方も多いと思います。ファンタジーを確立したとされる作品で、この型に当てはまるのは「異世界の住人だけで完結する」ということです。「スレイヤーズ」辺りが指輪型ですね。ゲームでも、FFやテイルズ等はこの指輪型のヒロイックファンタジーに該当します。

 もう1つ、ナルニア型。こちらもナルニア国物語からきた言葉で、召喚物になります。

 ハリーポッターなんかもこちらですね。異世界に召喚された人が頑張る物語。ざっくり言えばこうなります。


 こう書いて思うのは、世界の三大ファンタジー(指輪物語、ナルニア国物語、ゲド戦記)はやはりハイファンタジーの3つそれぞれで代表作足り得るのだな、と。当たり前なんですけどね。


 さて。最近流行りの召喚ものと転生物。召喚はヒロイックファンタジーになるのは上記の通りなのですが、転生物ってどこなのでしょうか。

 特に論じているのが見つからなかったので、個人的な意見ですが、作品によるのだと思います。

 転生してもこちら側の記憶を生かして活躍すればナルニア型ですし、性格だけに影響があって、と言う場合は指輪型か、物語によってはエピックにもなるでしょう。

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