幕間劇 火の間違った使い方
ある日の学園にて
「ソフィ!渡り火以外の魔法を教えてください!」
「姿勢は良いが何を教えるべきかのう?」
図書室でいつも通り課外という名目の魔法特訓が行われていた。
「そうじゃ!まずはお主の火のイメージについて具体的に上げてみるがよい!」
「…そうですね。やはり燃やすとか温めるとかですかね」
火のイメージか。
燃やす、温めるとかしか正直思い付かない。
「おいおいそれでは流石に頭が堅いぞ!」
「…ですよね」
「どれ、お手本を見せてやろう」
アシスは残念ながら二つしか分からなかった。
「燃やす、温める、消える、明るい、移る(渡り火の様に)、揺れる、赤色、青色…とかかの」
おお八つも答えられてる…
聞いてみるとなるほどと思えるものもあるなというのが正直な感想である。
「他には…そうじゃの…食べる…とかかの」
「食べるぅ!?」
流石に驚いた。
「火吹き芸とかでも食べておろう?」
それは完全に誤解だ。
なぜ博識のソフィがそんなことを言うのか不思議に思う。
…もしかしてからかってる?
「それは口のなかに油とかお酒を仕込んでるからでは?」
詳しいことは知らないが火を食べるという発想は無い。
「…おかしいか?」
「…はい」
正直に答える。
「ほう…そうなのか」
「流石に食べるは無いですよね」
「へ?我は食べるが…」
「はあ!?」
衝撃発言の連続である。
「いやあ、魔法の書物しか読まんからのう。手品はよく分からないのじゃ」
それは分かるが火を食べるって…
その日はソフィが更に不思議な人だという印象になって終わった。
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