予選二日目②
二日目が始まった。
上位は今日で予選突破を決めるだろう。
アシスもマルトネの言う通り少し急ぐべきだろうと考えている。
上級生はもう突破を決めた人も居るらしい。
「どうやったらそんなすぐに勝てるんだよ…」
どの学年にも実力者はいる。(上級生と下級生の間には実力の隔たりはあるが)
しかし実力者対実力者は少なくとも決着までに時間がかかる筈だ。
ということは突破を決めた上級生は圧倒的実力差で勝ったことになる。
もしアシスが予選を突破しその上級生と対戦する機会が有るのならば勝ちはまず無いとアシスは思った。
「これは突破したとしても先は見えないな…」
そんなことを考えている暇は無いことに遅まきながら気付くアシスは少し慌てながらも突破の為に対戦相手を探しに行くのだった。
その頃
「準備は順調か?」
「ああ…」
路地裏で黒いローブを羽織った男が何やら会話をしていた。
「予定通り南園闘技祭の予選が終わり上級生が王都へと向かった直後に例の物が起動する」
「良くやった、あとは計画を実行するだけだ」
「もし王都への訪問が中止になった場合はどうする?」
「計画の破棄だ」
淡々と予定を告げる。
「正気か?ここまで準備に時間と資金を費やしたのに」
労力をかなり消費しているのならば有り得ない返答だったのだろう。
何かの間違いか、と再度問うが
「正気だ。組織にとって俺達の存在などその程度だと言うことだ」
「なっ!?お前という強者でも捨てゴマなのか!?」
どこか残念そうに頷いた男は
両拳を体の中央でつき合わせる。
それを見た男も同じ様につき合わせる。
「では、計画の成功を祈り」
「「──我らが双星に栄光あれ」」
何かが動き始めようとしていた。
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