予選一日目①

予選当日となった。

アシスは渡り火をある程度使えるようになっていた。

しかし実戦では使ってない。

(課外での特訓しか練習出来てないので当たり前と言われれば当たり前だが)

「今日は実際に使わないと…」

「オッス!」

少し悩んでいるアシスにレルドが声をかける。

「おはようレルド、自信はあるかい?」

「おうよ!予選突破してやるぜ!」

自信満々なレルドに

「やる気が空回りするなよ?」

とラインがやって来た。

「いよいよだな、アシスは自信あるか?」

「まぁまぁだよ」

「ラインの方はどうなんだよ?」

というレルドの問いに

「俺も突破はしたいが今年は層が厚そうだからな…」

ラインは少し不安そうに語る。


「二人とも御武運を」

アシスがそう言い立ち上がる。

残念ながらそろそろ時間だ。

「おう!アシスもな!」「ああ」

レルドとラインもアシスにならって立ち上がる。


マレイヤ先生が教壇に立つ。

「これより各自に十の校章を配ります」


───

「ソフィ、予選で重要なことって何?」

「散歩を楽しめ、それだけじゃ」

「はい?」

───

そんな会話が脳裏をよぎる。

ソフィアの課外を受けろと指示したのはマレイヤ先生本人、どういう考えだったのかは今なら分かる気がする。(しかし気がするだけである)


その後、マレイヤ先生から校章を受け取り予選初日のエリアへと向かった。

そこでの一堂は騒がしかった。

大会なのだ。

無理はない。


我こそはという輩が多い。

他のクラスとの試合は基本的に初めてだ。

アシスも気合いを入れる。


そして


「予選開始!」

一年部の統括教授が開始の宣言をする。


遂に予選が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る