紅き追憶の欠片①

少年は立ち尽くしていた。

これが自分のしたことなのか。

現実離れした事実を信じることが出来ない。

呆然とただ周りが燃え尽きるのを見ているだけだった。


───悪魔の子め!

───お前が居るから!

───全ては燃えた!


まるで悪夢の様に繰り返される過去


「僕だってこんなこと…したくない…」


それが少年の全力を振り絞って発した声だった。


焔を発する元となるあの<剣>は今でも炎を発し続けている。

呪いの様に少年に縛りつく。

全てを燃やすまで止まらない。


業火の罪は


少年に課せられた


これがかの戦乱に繋がることを知る者は居なかった。

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