クラス1との決闘①

ガッチガチに固まったアシスは結局。

「アシス・レヴァストです。よろしくお願いします。」

テンプレにも程がある自己紹介をしてしまう。

ウケを狙わず無難に自己紹介を終え担任に指示された席へと移動。

内心

これで良かったのか?

と悩んでいた。


すぐに授業が始まりアシスも集中しようとするが

「オッス、隣のレルドだ。よろしく、アシス。」

と小声で話しかけられた。

レルドと名乗る少年からいきなり呼び捨てにされ驚くも彼の気さくな見た目からは不思議に不快感は感じない。

呼び捨てで返すのが効果的だろうが

「よろしく、レルド君。」

とこれまたテンプレで返してしまう。

「レルドで良いぜ。俺も勝手に呼び捨てにしちゃってるし。」

やはり見た目と性格は同じみたいだ。

「分かったよ」

「それでさ」

どうやら自己紹介以外の目的があって話しかけたらしい。

「お前ってさ<灼剣>だろ?」

「知ってるのか?」

「そりゃ勝王杯でバライグさんの十連覇を阻止したとなれば話題にもなるぜ。」

勝王杯は王都の中央コロッセオで行われるが故に毎年多くの人が観戦に来る。

一時の有名人となるのは必然とも言えよう。

「かの<英勇>に勝てたのは誇りに思うけど自慢するべきことじゃない。」

「ほう?」

レルドはアシスの言葉に疑問を持ちさらに質問を重ねようとするが

「そろそろやめとかないと勘づかれるよ?」

アシスはここで終わりと言わんばかりに話を区切る。

確かにそろそろ不味いだろう。

レルドもアシスの言葉に従った。

アシスはその時間、理解できない内容をただノートに写すことしかできなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る