500文字の遺書

@torinosasami

500文字の遺書

500カウントしか残されていない僕の人生も終わりが見えてきたみたいだ。

少しずつ体が何かに削られていくような、そんな感覚にずっと追われ続けている。

カタカタカタと小気味良いテンポで僕をずっと追いかけてくるんだ。


残りは400カウントを少し割ったところだろうか?体はどんどん削られていく

別の何かで埋められていく、僕はどんどん僕ではなくなっていくような感覚がある。

そうこうしている間にもカウントはどんどん進んでいって僕の居場所はだんだんとなくなっていく。


残りの命もあと半分くらいだろうか?

生まれた時には自我があって生まれた時には削られはじめていた。

最初からずっと僕は僕でない物に蝕まれ続けるそんな人生だった。


残り200カウント、僕は何かを残せただろうか?

どんどん無くなっていく僕は最後には0になってしまうその時に、この世から消えてしまうその時に何かを残すことが出来るだろうか?


残りは100余り、何かはずっと追ってきている。

僕は僕じゃない何かでほとんど埋まっている。

ほとんど僕じゃないけれど、どうかこの文章を読んでいる人よ忘れないで欲しい

僕の事を、何かで埋まってやがて0になる僕を


僕の名前は原稿用紙って言うんだ。

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