第22話 勝負

「ねぇ、小町ちゃん、俺の方がいいでしょ?」

「いや、俺の方がいいよな?小町」

なんか、両側から囁かれてるんだけど、なにこの状況、お、お姉ちゃんーー!!




あれからお風呂も入ってあとは寝るだけー!って思ってたら、郁斗さんに呼び止められていつの間にか応客間?ってとこに連れてこられました。あの、お家に応客間があるってどういうことですか。

「あはは、さすがね!家に応客間があるとかどんだけすごいなのよ!!」

笑って言えるお姉ちゃんもすごいよ...。

「おや、小町さん、彩さん。」

「えっ!小町ちゃん!?彩も!......うわぁ、小町ちゃんのお風呂上がり...かわいい...」

あ、楠さんと真南斗先輩がいる。真南斗先輩の最後の方よく聞こえなかったけど、誰も何も言わないから良いのかな...?

「郁斗様、どうされましたか?」

あ、そっか、普通はこんなとここないもんね。

「いやぁ、せっかく真南斗がかわいい女の子を連れてきたんだから、いろんなとこ見せてすごい!かっこいいって思ってもらいたいじゃん?」

「なるほど。」

楠さんがメガネをキラッてさせながらなんか納得してるんだけど...。

「真南斗様。......で、.........しましょうか。」

「んなっ!?」

?楠さんがボソボソっと真南斗先輩に何かを囁いた??

「なになに?どーしたの??」

お姉ちゃんも聞こえなかったみたい。

「ふふ、珍しいね、楠」

郁斗さんには聞こえたみたい。

「小町さん、ちょっとこっちに。」

楠さんに呼ばれた...嫌な予感しかしない...。

「小町ちゃん、ごめんね。」

「え?」

ガチャン

「これ...」

「なるほどね?」

テーブルに置かれたのは2つのティーカップ。

音もなく置かれたのは楠さんので、音をたてて置かれたのは真南斗先輩のもの。

「お姉ちゃん、なるほどって?」

「つまり、今回はどっちのお茶が美味しいかで勝負よ!」

え、これってどのジャンルになるの。え?これ恋愛小説だよね??

「小町さん、そういうメタ発言はやめておきましょうね。」

「なんで私の思ってることわかるんですか!?楠さん!」

「くそ、楠め...。俺だって、俺だって!!」

「はい、ほら、さっさと始めてよ。楠、真南斗。」

「かしこまりました。」

郁斗さんの一声で、楠さんが執事モードに入った!かっこいい...!!

「なんでそんなキラキラした目で楠のこと見てるの...小町ちゃん...!」

「え、そんなに顔に出てました!?///」

「ふは、キラキラした目で俺を見てたのは否定しないんだ?」

「あっ...!」

やだ、ほんとだ、恥ずかしい~!!///

「小町ちゃ...」

「真南斗くん、うかうかしてると楠さんにとられちゃうよ?」

お姉ちゃんが真南斗くんに何か言ってる??

「楠!さっさと勝負するぞ!!」

あれ、さっきよりも真南斗先輩のやる気が出た...あ、さっきの...お姉ちゃんに応援されたのかな?

「はいはい、では始めましょうか。真南斗様、先攻後攻、どちらがよろしいですか?」

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