番外編 クリスマスは大騒ぎ?前編

「ねぇ、小町。やっぱり今日クリスマスは美佳ちゃんと過ごすの??」

「...どうしたの?突然。」

そう。本当に突然聞かれたのだ。ついさっきまで本を読んでいたお姉ちゃんがおもむろに顔を上げ、聞いてきた。

「だって!小町、いつもはお昼まで部屋から出てこないのに、今日は朝からリビングにいる!!それに、オシャレしてるし、いつも可愛いのに今日はワンピースだしもっと可愛い!!!...ハッ!ま、まさか、彼氏がいるの?お姉ちゃん、聞いてないよ!?デートなの!?デートなのね!!そんなの許さない!小町の彼氏になるのなら私が認めた人じゃないとダメだからね!!!それに.........うんたらかんたら.........」

今日はやけに喋るね、お姉ちゃん。まぁ、お姉ちゃんが勘違いするのもそのはず。何故なら私は今、普段なら絶対に着ないワンピースを着ているのだから。あ、私の普段ってどんな感じ?って思った方、いますよね。私の普段は絶対にスカートを履きません。ついでに昼まで部屋から出ません。出てもお母さんかお父さんに怒られるだけなので。

っとまぁ、こんな感じかな?話を戻しますね。えっと、そうそう。お姉ちゃんは勘違いしたけど、この服装なのは訳があるんだよ。それはお姉ちゃんにも説明されたはずなんだけど...

「お姉ちゃん。やっぱり聞いてなかったんだね。」

「.........どうたらこうたら.........え?」

まだ話してたのね。まぁ、でも、戻ってきてくれた。

「一昨日のこと!!覚えてないの?」

「一昨日...?」

やっぱり。

「一昨日!真南斗先輩の家に招待されたでしょう?」

「...あー、そ、そういえば、そんなこともあったかなぁ...?」

お姉ちゃん...

「覚えてないんだね?」

「う、ゴメンナサイ。」

「はぁ、今日、真南斗先輩の家でクリスマスパーティーをしようって誘ってもらったから、お昼に迎えに来てもらって、3人でパーティーしようってなったの!だから、さすがに普段みたいにジーパンじゃダメかなって思ってワンピースにしたんだよ...」

「あ!思い出した!!そうだった、てことは私もすぐに準備しなきゃ!!」

やっと思い出したんだね。それにしてもお姉ちゃんは約束ごととか、絶対に忘れないタイプなのに、真南斗先輩との約束はすぐに忘れるよね。まさか、わざとだったり?...お姉ちゃんに限ってそれはない...ことを願おう。


...ピンポーン

「あ、真南斗君じゃない?」

「私が出るよ。」

ガチャ

「メリークリスマス!小町ちゃん!!」

「真南斗先輩。メリークリスマス、です。」

「あ、やっぱり真南斗君だった?メリークリスマス!」

「メリークリスマス!」

なんか、

「ふ、」

「はは、」

「ふふ、」

「「「あはははは!!!」」」

みんなそろってメリークリスマスがあいさつみたい。

「あ~、笑った!真南斗君、お茶してく?」

「いや、いいよ。すぐ行こう?」

「あ、じゃあ、鞄もってくるね。お姉ちゃんの分ももってくるよ。」

「え、ありがとう!やっぱり小町って天使だと思う!!」

「俺もそれ思う。」

...聞かなかったことにしよう。

「はい、お姉ちゃん。」

「ありがとう。」

「じゃあ、行こうか。」

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