番外編 クリスマスは大騒ぎ? 後編

え、ここが真南斗先輩の家!?

「真南斗君の家おっきいねぇー!」

いや、お姉ちゃん、そんなのんきに言ってられるほどの大きさじゃないからね!?うちの5倍はありそうなくらい...

「大きいかなぁ?まだまだ小さくない?」

「......」

お金持ちの感覚ってほんとにずれてるんだね...

「あれ?小町ちゃん??やっぱり俺の家が小さくて幻滅してる!?え、まって!来月にはもっと大きくするから幻滅しないで!!」

今日はやけに真南斗先輩の頭がおかしいなぁ。戻ってきてくださーい。

「あの、真南斗先輩のおうちが大きくてビックリしちゃっただけなので。気にしないで下さい。むしろこれ以上大きかったら私次から真南斗先輩のお家に来れないかもです。」

こんな大きい家に行くのすごい緊張しちゃうもん。

「えっ。」

?真南斗先輩、なんでそんなに絶望的な顔してるんだろ。

「むしろ小町は真南斗君の家に来なくて良いと思うなぁ。私と一緒にいたら良いんだからね!!」

こっちは真逆ですごく嬉しそうな顔だね。

「はぁ、お姉ちゃんとはずっと一緒だよ?」

「っ!ほんと小町可愛いぃぃ!!!」

「うっ!」

お姉ちゃん、いきなり飛びつくのやめて。心臓に悪い。

「~っ!小町ちゃん!!俺とも一緒にいてくれるよね?」

真南斗先輩、もう泣きそうなくらいなんですけど。なんで??

「一緒...?」

わぁ。今度はお姉ちゃんが鬼の形相で睨んでる。美形が怒ると迫力が凄い。

「小町ちゃん!なんで一緒って言ってくれないの!?」

こっちはもう目尻に涙溜めてるよ。そんな顔まで美形なのちょっとズルいよね...

「う~ん...あっ!お姉ちゃんと真南斗先輩が結婚すれば、ずっと一緒ですよ!!」

そうだ!お姉ちゃんとなら美男美女でお似合いのカップルだし、真南斗先輩には悪いけど、私はお姉ちゃんのひっつき虫だから、ずっと一緒にいるよね。

うん!我ながら冴えてる!!

ってあれ?なんか、2人ともあんまり嬉しくなさそう?

「やっぱり、私はお邪魔虫だった?」

「えっ!ううん!違うよ!?そうじゃなくて...」

「うんうん!小町がお邪魔なんてこと絶対あり得ないから!!それより...」

「「なんで、こいつと結婚しなきゃならないの!?」」

お互いにこいつ呼ばわりするんだね...

「あのぅ...」

お姉ちゃんと真南斗先輩が言い合いをしていると、お家の方から申し訳なさそうな声が聞こえた。

声の主を探してみると、

「外でお喋りもよろしいですが、そろそろ家に入りませんか?」

扉の向こうから若い男の人がこちらに向けて遠慮がちに声をかけた。かなりのイケメンさんで、真南斗先輩よりも年上っぽい。

「あぁ、そうだね。寒いのに外で立たしてごめんね。あ、この人は俺の兄貴だから。」

執事さんかな?って思ってたのが顔に出てたみたい。

「初めまして。朝比奈彩です。」

「は、初めまして。朝比奈小町です。宜しくお願いします。」

お姉ちゃんに続いて挨拶をした。

「初めまして。こちらこそ真南斗がお世話になってます。真南斗の兄の郁斗いくとです。よろしくね。2人は姉妹?」

「はい...」

思わず声が小さくなっちゃった。

「やっぱり、2人とも可愛いし似てるね。」

え?似てる?

「え?」

声に出したのはお姉ちゃんだ。

「うん?どうかした?それより早く入りなよ。暖かくしてあるからね。」

「あ、ありがとうございます。」


「「お邪魔します。」」

うわぁ、外から見ても大きかったけど、中は想像よりも広かった...

「ん、じゃあ、楽しんでね。」

「はい。」

「小町ちゃん!どれ食べたい?これとこれとかオススメだよ。ここに無いもので食べたいものあったら言ってね。すぐ作るから。」

今、さらっと凄いこといったよね...

「私だって小町のためならすぐに買いにいけるし!!」

お姉ちゃんはそんなとこで張り合わなくていいよ。


そんなこんなで今年はとっても賑やかなクリスマスになったのでした。


「あ、雪だ!!」

「わぁ、ほんとだ。綺麗...」

「小町可愛いぃぃ」

「小町ちゃんほんと可愛い///」

うん。聞かなかったことにしよう。


おしまい。


メリークリスマス!

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