第4話 デート?

なんで、こうなった。


右手を握ってニコニコしているのは、お姉ちゃんだ。

反対側には真南斗先輩。お姉ちゃんと違う点は手を握っていないところとなんだかむすっとしているところだ。

こうなったのには訳がある。それはさかのぼること30分前...



「小町!か~え~ろっ!」

ザワっ!!

「え、彩先輩が一年の教室にきた!?」

「だれ、あの美少女!超可愛いんだけど!!」

「え、あんた知らないの!?この学校の姫って呼ばれてる朝比奈彩だよ!」

「朝比奈彩さん...めっちゃタイプ!!」

「みんなそうだよ!バカ!!」

「てか、彩先輩に呼ばれてる小町ってだれ!?」

流石お姉ちゃん。学校の姫と呼ばれてるだけあってもう有名人だ。

あ、目が合った...

「あ、いた!小町、早く早く!!」

「お姉ちゃん...」

ザワザワっ!!

「え、小町ってあいつ!?」

「てか、お姉ちゃんってどーゆーこと!?姉妹!!?」

「そういや、あいつ朝比奈だ!!」

あぁ、バレた。まぁ、隠そうとはしてなかったんだけど...

「え、全然似てないよね。ほんとの姉妹?」

「いや、似てないにも程があるだろ(笑)」

「ちょっと、そこの人。小町のこと悪く言うの止めてくれない?」

「え、彩さん?」

「彩さんなんて呼ばないで。小町のこと悪く言う人に名前で呼ばれたくない!」

「...」

お姉ちゃんが怒ってらっしゃる...

「お、お姉ちゃん、私なら慣れてるし大丈夫だよ。」

「だ、だよな!朝比奈と俺らの仲だもんな!!」

いや、どんな仲だよ。

「そうだよね、朝比奈さん、ごめんね!つい調子乗っちゃって、悪気はないんだよ!?分かってくれるよね??」

次から次へと、私に媚びを売り出したけど、そんなものでお姉ちゃんの機嫌が収まるとは思えない。

「別に、小町が許したって、私は許さないから。」

お姉ちゃんがここまで私のクラスメイトに口出ししたのは初めてだ。いつもは私が良いと言ったら心配だと言いながらも退いてくれたのに。

まぁ、それも、去年のあの事があったからか...

「お姉ちゃん、そろそろ行こう?」

「でも、まだ言いたいことが...!」

「真南斗先輩も待ってるんでしょ?」

ザワっ!!

また、後ろが騒がしくなった。もう、ほっとこう。

「...でも」

「お姉ちゃん、お願い。真南斗先輩を待たせられないよ。」

「真南斗くんは小町の為なら何時間でも待ってると思うよ?」

「それはない。」

「いや、絶対待ってるよ。」

どこから出て来るんだろう、その確信。お姉ちゃんと一緒に帰りたいんだろうから、お姉ちゃんの為ならあり得るかもしれないけど。

「はぁ、まあいいや、取り敢えず行こう?」

「やだ。」

子供か。

「じゃあ、分かった。帰り道、手ぇ繋いで帰るから。」

最終手段だ。こんなことでも、私を溺愛しているお姉ちゃんにはすごく影響してくる。

「え、ほんと?」

ほら、くいついた。

「うん。だから早くいこう?」

「うぅぅ!小町の小悪魔!そんなの行くに決まってる...!!」

「うん、ありがとう。お姉ちゃん、大好きだよ。」

「はぅぁ!小町可愛い...///私も世界一好きだよぉぉ!!」

よし、このまま二人だけの世界でいこう。後ろのクラスメイトはもう気にしないことにする。うん、それがいい。



で、今に至る訳なんだが...

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