第19話 長生きするのがそんなに良いことだといえるのか?
最近とみに健康寿命なんてコトバが乱立してる
かたやちょっと前に安楽死した方のドキュメンタリーを見た
可哀想にと言ったら語弊があるかもしれないけど
その方は外国で安楽死を希望しそのまま亡くなり
ご遺体は粉末状になって川に流されたと
どうして生きた国に帰ってはこれないのか
そう考えるとうちの母親は良い死に方だった
自宅で介護を受けて看護師は毎日来てくれて
先生看護師ケアマネージャーと父親に看取られ逝った
医師がいたから変な話助かった
私は好きではなかった母親でも
死に際は「平和だった」
なのにどうして
どうしてこんなに違うのだろう
日本が安楽死を受け付けないからなのか
その方は不治の病で治る見込みもなく
まだ自分の意思と意識があるうちに死にたいと
そう思っていたのに
日本はそれを受け付けなかったから
仕方なく海外で亡くなって
遺体は持って帰れず
私は
私は
そんなに難病でもないけれど
生きていく意思もなく自覚もなく自信もない
なのにこの国は
まだ「生かして」おきたいのかと
自分は死にたいともう何年も
何十年も思ってきているのに
たぶん同じ考えを持っている方はいるのだろう
自死を考えたこともあったけれど
ただただ死にたいのとはわずかに違って
もう生きていたくない
その代わりと言ってはなんだけど
私のからだを献体なり使えるなら動機移植提供カードを持っているから
使ってください
生きたいと願っている方に
私のいのちを差し上げますから
好きに使ってかまいません
どうせ死んだら無になるのだから
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