第3夜「クラシック」
コンコン
「セバスチャンです…失礼致します」
ガチャリッ
「…おやおや、お嬢様でしたか。洋梨がベッドに転がっているかと。
寝不足がお続きになられたせいですね。運動のかいなくなんと水々しいお姿。ミイラとりがミイラならぬ、むくみとりがむくみ、ではありませんか。砂漠におられましたら水道がわりに有り難がられますものを。日本にお生まれで残念でございますね。
…眠れないのであれば、そうですね。クラシックでもおかけしましょう。心身ともにリラックスできますよ。
え? クラシックは好きじゃない? どこが良いのか分からない?
…シッ お嬢様! お静かに……っ! それ以上発言してはなりません! どこでWNA(世界貴族社会保護結社)が聞き耳を立てているか…。
ふぅ。なんと恐れ多い事を。このセバスチャン、心の臓が縮みましたよ。もし盗聴でもされていたら、今のご発言は脳天を撃ち抜かれてもおかしくないほどの
…さあ、本日の教養はここまで。バッハをお流しいたしましょう。バッハの旋律は流れる水の如し… 失礼。これ以上の水分は毒でございましたね。それでは、お嬢様。お休みなさいませ。ーーよい夢を。」
カチリッ
コツコツコツ…
〜就寝〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます