第6話
しかし男に出来たことは、そこまでだった。
清美は信じられないほどの速さで男に迫り、ゆうに1メートルはあるであろう口で男にかぶりついた。
ぶちゃぐちゃぼきっびちめりぶちゅ
音が止み、清美の頭が男から離れた時、そこに残っていたのは男の下半身だけだった。
清美はそれにもかぶりついた。
ぶちゃぎゅちゃがりぐちゃぐちゅがきっべちゃ
喰っているのだ。
殺人犯を清美が。
服も骨も含めてまるごと。
やがて音が聞こえなくなった。
食べ尽くしたのだ。
私は何故かまるで人事のように、そう思った。
清美が自分の口をゆっくりとぬぐった。
「ふう。やっぱり男は美味くないわね。若い女の子が一番美味しいわ。ところで」
清美が私を見て言った。
「見たわね」
と。
終
行方不明と殺人と…… ツヨシ @kunkunkonkon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます