第8話「ピンクの恋人」8

◯数日後、寮の前に琴吹モータースのトラックが止まる。

父「紬、お母さんのモーツァルト。持って来てやったぞ」

紬「ありがとうお父さん。わざわざ自分でトラック運転してくれなくても、斎藤さんに言ってくれればいいのに」

父「母さんが私に内緒で紬にプレゼントなんて悔しいから、せめてこれぐらいはさせてくれ!それにしてもバイクなんかお父さんが、なんでも買ってやったのに。スズキのカタナ1100Sだって、君の免許なら乗れるんだよ」

律澪唯「(ステマだ…)」

紬「これがいいの!私、お母さんから買ってもらう事は多いけど、お母さんのもの貰うのは初めてなの。嬉しいの」

律「(普通金持ちマダムって宝石とか娘にあげそうだけど、ムギはそういうの興味ないもんな)」

父「クソっ!斎藤!ボクのブラフ・シューペリア、持って来て!」

小斎藤「旦那様、あれは博物館に寄付したじゃあございませんか?」

父「そうだった!悔しいけど、今回はアルマーニの革製ヘルメットバッグと、琴吹グループの技術の結晶、世界で一番安全なセミジェットヘルのプレゼントで我慢する。あとGPSでセコムに信号を送る盗難防止システムもね」

紬「ありがとうお父さん大好き!」

◯紬、父の頬にキス。

父「うおおおおおぉっ!」

◯小斎藤よろめく父を支える。メカニックがベスパを下ろす。

唯「綺麗だねえ…」

律「YOU!乗っちゃいなよ」

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