第7話「ピンクの恋人」7

唯「ねえねえ、どんなの?」

紬「ピンク色の可愛いスクーターだよ」

唯「名前は?もう決めた?」

紬「母が決めてた。モーツァルト」

律「お母さん、松田聖子好きなんだ」

紬「うん。日本で私を産む時よく聞いてたって」

唯「ムギとお母さんって言葉通じるの?」

紬「母は私が2歳まで日本にいて、それから仕事の都合で国に帰ったけど、私と話すためにDVD取り寄せて日本語練習したみたい。でもなぜか吉本新喜劇だったので、コテコテの関西弁なんだけど」

唯「そうなんやー(世界!ニッポン行きたい人応援団司会のサバンナ高橋の気のない相槌で)それでスクーターはどこにあるの?」

紬「今うちの会社の自動車部門で日本の排ガス規制対策とかやってる」

律「日本車じゃないんだ」

紬「ベスパだよ。ローマの休日の。母の国にベスパの会社が進出する時、貢ぎ物として献上されたとか」

律「なんかいきなり中世だなぁ。それじゃきっと高いやつだね、ベスパの中でも」

紬「普通の125ccだよ。えーと…946ってモデルの普通のやつ。アルマーニとのコラボじゃない方ね」

律「ふーん…普通の946と(スマホいじる)まあ!お手頃ざますわね?115万円んっ?!」

紬「やだそんなに高いの?なんか普段使いにして良いのかなあ?」

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