第6話「ピンクの恋人」6

◯食堂の自動ドアが開く

紬「ただいまぁ」

澪「おかえり。これで四人揃ったね」

唯「ムギちゃんおいっす。わあムギちゃんいい匂いする!」

律「どれどれ?くんくん。なんてアダルティ!」

紬「母が面白がって、開発中の香水を色々振りかけるものだから…」

澪唯律「自社開発かよっ!」


紬「ねえねえ、聞いて。私もスクーター、貰っちゃった!」

律「何だって!ああムギのこと溺愛してるお父さんから?」

紬「ううん母から。誕生日祝いにって。斎藤さんがなぜだか私がバイク欲しいこと知ってて、それで母に私の欲しいもの教えたらしいの」

律「恐るべし、琴吹家執事情報網…」

唯「もしかして、私の乗ってるバイクまで…」

紬「もちろん知ってるわ。そういえば斎藤さんから、”平沢様に、SR400のケッチンにはくれぐれも御油断めさるな。とお伝え下さい”と言われてたの忘れてた」

唯「ひえー、琴吹家執事ともなると、バイクにも詳しいんだ」

澪「その…。ケッチンてなに?血の何か?(青ざめている)」

律「SR400はセルがないから、エンジンかからないで何回かキックしてると混合気圧がおかしくなって、急にキックペダルを突き上げるのさ。酒屋のカブで一回やられて、右足折れるかと思った」

澪「ひええー、バイク買うときは絶対セル付にしよう」

唯「そのへんはお父さんにならったから大丈夫だよ。出汁昆布とかいうレバーをちょいと引いて、そーっとペダル下ろして…寝てるロッシーの機嫌が良くなってから、

えい!って起こしてあげるの」

律「デコンプな!(それにしてもやっぱり真似できない天才の感だ)」

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