ルルーが語る物語のあとがきみたいなもの

 近況ノートにでも書こうと思ったのですが、こんなのがあったのを思い出してこちらに書くことに。


 ネタバレ注意です。



 ・コンセプト


 全体を通してのコンセプト、テーマとしては『頭の悪いバトルもの』と言うのがあります。


 作者個人としてはバトルものが好きで、それも昔の特撮のように一話完結で次々と敵が現れるようなものが好きです。


 またライトノベルに対しての勝手なイメージとしては、敵の人数が若干少ないイメージがありました。普通の単行本でも二人か三人かぐらいで、それ以上出てくるとしたら名前だけか、あるいは過去から引き続いて、みたいな勝手なイメージがありました。


 それらを踏まえて『毎回敵が現れて敗れ去る』という作品が書きたくて失敗したのがこの『ルルーが語る物語』です。


 敵は毎回変わったギミックをもって登場、疲労して退場、そういう戦場を目指して書き続けてました。またそれだけの戦闘が起こる治安の悪い場所、が『デフォルトランド』のコンセプトです。


 オマージュ、リスペクト、モデル、パクリ、影響を受けた作品として上げられるのはアメリカのアニメ『サムライジャック』『アフロザムライ』など、日本では漫画で『ブラックラグーン』『無限の住人』『るろうに剣心』『北斗の拳』『男塾』など、ゲームでは『デッドライジングシリーズ』『ダークソウルシリーズ』などがあげられますが、個々のキャラクターを追っていけばさらに多くの作品を下地にしていると思います。


 ・キャラクター


 オセロに求められたのは多種多様な敵にフレキシブルに対応できる能力とそれをさせるだけの生い立ちでした。


 武器の鉄の棒はあっさりと決まりました。強度があり、壊れにくく、色々と使える。また、死人の数は最小限にと考えていたので鈍器は便利でした。


 戦い方は、敵のギミックを見せてから倒す必要があるため必然的にカウンター中心となり、そうなった理由付けとして『退屈』が付属されました。


 生い立ちについては、史実の『イェニチェリ』や紛争地域の少年兵がモデルです。


 悲惨なものにしたのは、作者個人が持つヒーロー像『すごいけどあぁはなりたくない」と言うのが多分にあります。圧倒的な戦闘力をもって無双しながらも必ずしも幸福ではない、というのが嫌われない『オレツエー』だと考えた結果です。



 ルルーに関してはまず、蛮族うじゃうじゃの中で反対の性質、力は弱くとも賢い存在としてデザインしました。また、オセロの『退屈』が先にあったため、それを埋めることで物語を物語ることになり、そこからタイトルが導き出されました。考えると完全に詐欺です。


 背中の地図は旅させるため、ですが目的地については当初の段階でほぼ決まっていました。またこの地で五体満足でいられた理由図家として、ある意味で身を守っていたともいえます。


 それと告白すると映画の『ウォーターワールド』は名前だけで内容を見たのはこの作品を書き始めてからでした。ですがよくありがちな設定ではあるので、どこかしらから影響はあったものだと思います。



 タクヤンについて、外見のモデルは作者個人が知る実在の人物です。細かく書くと文芸部時代の部長で、常にベレー帽な意識高い系でした。書かれる作品も深い造形と高い教養の求められるような高尚なもので、馬鹿な私たちには「わかんねーよバーカ」と馬鹿にされてたりしました。今はどこかで『PUBG』やってるそうです。


 内面のモデルは作者自身、正確には作者がこうなりたいと思う自分像です。こう書いておかないと後でベレー帽に怒られます。


 ・各章について


 一章についてはコンセプトに基づき、基本通りにひたすら戦い続けるものを目指しました。


 小説としてと言うよりもアニメーションのワンクールぐらいをイメージして、短編集の連続みたいな感じを目指してました。


 ちなみに、この一章はとある小説の章に応募して見事一次で落ちてます。その時頂いた書評を要約すると『キャラクターは個性的でまだましだが、それ以外は糞』というありがたいお言葉を頂いております。



 二章は、トイレから始まりました。


 医者が存在する理由から奴隷を、奴隷を産み出し消費するためにギャンブル場を、交通の便を考えれば海か川か、それに泊まるホテルもいる。そこにこの手の物語に出てくるコロシアム、デスゲームをねじ込みました。あとは、二人のやりたいようにさせたらあんなんになりました。


 サブキャラである『とらねず』はニコニコ見てて名前をもらいました。キャラの中身は全然違うからセーフだと言い張りたいです。



 おまけはおまけです


 どうしても雨の中の三話をやりたくて短編を、と思ったのですがその前のが失敗してました。少なくともあれは、短編じゃなかったと思ってます。反省。



 三章は、キャラクターの一層処分です


 数多くのキャラクターを作る中で『麻薬』と『先天的障害』はわざと飛ばしてきました。


 前者は簡単に変態が作れてしまい、またジャンキーかよ、に陥りそうだったからです。


 後者は、人権意識と言うわけではないですが、産まれながらに障害を背負って戦う姿は、この物語の上ではヒーロー側に近しいと判断したからです。


 あと個人的な友人経由なのですが、あれだけ好き放題やっていたにも関わらず、人が空を飛ぶことがどうしても納得がいかないと再三言われました。これまで『ごみのようなリアリティーが邪魔している』と顔を合わせる度に言われ続けてきたため、このような発言は驚きでした。リアリティー、と言うよりも世界観の構築は難しいと思い知らされたエピソードでした。


 ちなみに、その友人からの全体を通した書評は『金の匂いがしない』だそうです。



 第四章、あるのはただ終わらせるだけ、という感じでした。


 プロットやキャラクターなんかはこれまでの段階であるい程度決まっていて、それを文章に起こすだけ、と比較的スムーズに書き上げることができました。手こずった部分としては五つの組織の残り四つと、アンドモアの五人の名前には結構時間がかかりました。落ちも決着も自然とああなりました。


 そして地図の真相とこれからと、概ね最初のイメージ通り書きとおせたと思います。



 ・反省点


 今後小説を書くにあたって、反省点、改善点としていくつか挙げられます。これはあとがきと言うよりも作者自身に当てた反省文です。


 一つ目、普通に小説の長さの物語を書く。

 あちこちのサイトや参考書を拝見すると、一次審査は小説の形になっているかどうかで判断されるようです。ならば今回の一章のような形態は目を通される前に切り落とさるでしょう。ならば機種転結、普通の形にしなければならないのでしょう。


 二つ目、バトルシーン。

 ただでさえ文章力が悲惨なところにオリジナリティあふれすぎてて説明しにくいキャラクターを出せば、わかりにくくなります。文章力の向上ももちろんですが、いっそキャラをあり大抵のものに堕とす必要もあるかもしれません。

 以前、とあるレーベルの大賞を読んだのですが、上段抜きで頭痛がしました。オリジナリティーが皆無だったのです。キャラも敵も武器も、特定の作品のアレ、みたいに言い表せるのばかりで、真新しいものが一切なかったです。それだからか文章自体は読みやすく、結果続きが出るほどに人気なようでした。

 つまりはオリジナリティーよりも読みやすさを大賞を決めているプロは優先しているということ、ならばベタなキャラクターを並べた方が無難そうだという結論になります。


 加えて顔見知りの友人からの書評『金の匂いがしない』を鑑みると、結論としては一番わかりやすい『異世界転生』ということになりそうです。


 ただ自分の中のヒーロー像としては何のデメリットもなく力を手に入れたやつなどヒーローではない、と言うごみのような決意が邪魔をして踏み出せない状態です。


 今後何を書くか、あるいはここで書くのか、そもそも書き続けるのか、色々と未定ではありますが、先ずは目先の自主企画に全力で取り掛かっていきたいと思います。


 ここまでお読みいただきありがとうございました。最後の方は愚痴みたいになってしまい申し訳ありません。


 お暇でしたら自主企画の方も読んでいただけると嬉しいです。


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