愚か者なので語りたがる。
負け犬アベンジャー
根切 羅刹(ネキリ ラセツ)
「もとめるのはただ一つ、去勢のみ。」より。
一言で言えば去勢坊主です。
ちなみに去勢とは男性のアレを取っちゃうことです。
それをやらかす根切羅刹は異形です。
やたらと長い両腕、スキンヘッドで狂気の眼差し、その行動原理は全て去勢を行うために起動している。変態です。
このキャラクターはこのサイトの自主企画、いずくかける様主催の
「第一回『カクヨム』最強キャラクター決定トーナメント」
に参加させて頂いてます。
ですが、そこがオリジンというわけではありませんでした。
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オリジンとなるのは一昔前に見た二つのニュースです。
一つはある、タレント犬の話。
大きな声で鳴かないよう、手術により声帯が取り除かれていると知れ渡った時の、ある女性コメンテイターの一言です。
「去勢するのは仕方ないとしても、声を奪うなんて虐待と一緒じゃないですか」
……価値観の違いから強く記憶されました。
もう一つはとある教育ママの話。
兄弟全員をトップの国立大学に入れたその教育論もまた価値観の違いから覚えてました。
「受験に恋愛は必要ない。受験に恋愛は無駄です」
当時から賛否両論だったと思います。
そこから一つのストーリーが産まれました。
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私立玉無し学園
プロットとしては、とある私立の男子中学校にて、新たな教育方針として去勢を推奨する、ということを張り出しました。カウンセリングルームを設け、そこで切除するというのです。
初め生徒たちは冗談だと思っていました。その中で性同一性障害をカミングアウトしていた生徒の一人が偵察がてら見に行くことになります。
入ってすぐ、聴こえてきたのは絶叫、悲鳴、その生徒はその日から学校に来なくなります。
これはまずいと思った生徒たちは親に相談しますが、そもそも親が頼んでやってもらってるとわかります。
そして抵抗として仮病を使い学校へ行かなくなる生徒たちでしたが、その家一軒一軒に怪人が現れ、去勢を迫るようになります。
追い詰められた生徒たちは学校に立て篭もり、必死の抵抗を試みるのです。
私の作風としましては、バトルを中心に展開したがるので、ここで怪人も戦闘能力を加えることになります。
そこで去勢に対してリサーチを重ね、画像検索でトラウマを作ります。
その過程で外せないのは「シグルイ」という漫画作品です。
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「シグルイ」は秋田書店より出ている時代劇で、内容はスプラッターです。
細かいところは省きますが、その中のワンシーンに、素手による去勢が出てきます。
芯のぶれてる私は、そのインパクトから逃れることができずに、キャラクターデザインは和風となりました。
去勢の目的を煩悩排除と捉えるなら職種は僧侶だろう。
素手でやるならそれに必要な身体機能がいるだろう。むしろそれしか考えられずに鍛えられて、と設定が追加されました。
あとはそれに関連する精神的問題を加え、去勢という急所狙い特化のバトルスタイルを加えて完成しました。
長い話ではないので性格はシンプルに、テーマである去勢に関することのみで固めました。結果、それしかない変態としていい感じに狂いました。
これで、あとは固有名詞を関連事項から取り付けてキャラクターは完成となりました。
ちなみに、根切りも羅刹も去勢の意味合いを含んでいます。
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ここまで完成しておきながら、プロット自体はお蔵入りにしました。
このキャラクターが過激すぎることもありますが、話のオチが気に入らなかったのが最大の理由です。
考えてトゥオチは、立て篭もり、追い詰められた生徒たちは、学校に集まった野次馬たちにBL本をばら撒きます。
俺たちをこんなにしたいのか。
生徒たちの叫びに、親たちは世間体を気にして去勢を諦める、というので作っていたのです。
ですが、このオチはBL関係への攻撃、侮辱を孕んだデリケートな問題であり、それをコメディタッチで書くことに抵抗がありました。
いつか書き直したいと思いつつ寝かされてたキャラクターを、自主企画のために呼び起こしたのです。
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個性とは、他とは違うことと定義します。
その違うこと生活やメディアの中から見つけて、というよりも覚えておいて、関連するものにくっつけて膨らませ、大げさにした結果、個性的なプロット、キャラクターができたのではないか、と自分では思っています。
プライベートが若干忙しくなった身ですが、情報収集は未だに欠かせていません。
まとめると、キャラクター作りの一歩目は知ること、学ぶこと、小さなニュースでも欠かさず見といた方が良いよ、といったところでしょうか。
制作論としてこれで良いのかの判断もできてませんが、これが私が根切羅刹を作り上げる一連の過程です。
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