VSピンク髪
次の日の渉は一日中、小坂めぐみを中心とした女子グループに目を光らせていた。
グループと言っても、三城や世戸たちのような決められた集まりではない。彼女の場合は、不特定多数の支持者。先輩や後輩を含め、それなりに人脈が広いようなのだ。
言ってしまえば、あの三城楓だって小坂とは交流がある。仲のよさは把握できないにしろ、彼女の味方になる者は想像以上に多いというわけだ。
凛には前もって『何かあったら言うんだぞ』とメールしておいた。正直自分を頼ってくれるか自信はなかったけれど、凛は職員室や他クラスに行くとき直接声をかけてきた。渉はもちろん快諾して付き添った。
昼休みは響弥たちを断り、E組で
何もないまま迎えた放課後。
鞄を抱えて廊下へ出ると、ちょうどC組からD組前へと移動してきた響弥と鉢合わせた。
「渉一緒に帰ろうぜぇ」
「響弥……凛探してるんだけど、お前見た? いつの間にかいなくてさ」
ホームルーム後、凛は気づいた時には教室にいなかった。もう帰ってしまったのかと思い、渉は廊下に出たのだが。
響弥は「ああー」と声を上げる。
「凛ちゃんならさっきすれ違ったよ、女子たちと帰るところ。声かけたら手振り返してくれた」
ひひひー、と白い歯を見せて笑う親友に、渉は鋭く訊き返す。
「どんな女子?」
「んー、確かB組の女子だったような……」
「凛にそんな友達はいない」
「ひっでえこと言うなあ……じゃあ用事とか――」
「陸上部と女バスの一年だよ」
後ろから声をかけてきたのは、三城楓。意外な人物の登場に、渉と響弥は目を丸くする。
「なーにその顔。てか
「ぎくっ」
渉は響弥を横目で睨んだ。それから三城に目をやり、「どこに行ったかわかる?」と尋ねる。
「んー、そこまでは。でもあれはめぐみの取り巻きだね」
「俺は帰っていくように見えたけどなー」
「あれでしょ? 望月はいじめのこと気にかけてるんでしょ?」
小さく頷いた渉を見て、三城は快活に笑った。
「あんた過保護だね。暗い奴かと思ってたけど、案外熱いんだ?」
「ど、どうも……」
何だか身体がむず痒くなり、そっと頭を掻く渉。響弥は二人のやり取りを見て、「ぐぬぬ……」と悔しげな声を漏らした。
「ええい! 渉に情報を与えるのは俺の役目だ!」
そう口走りながらポケットをゴソゴソとまさぐり、「どこでもすまぁとふぉーん」と呑気な声でスマホを取り出す親友。
「えーっとぉ、なになに? ……校舎裏で……?」
響弥はぶつくさ言いながら調べ物をはじめた。もどかしそうな顔で睨む渉が「何なんだよ」と問うと、響弥はずいとスマホを差し出して、その液晶画面を見せた。映っていたのは、例の掲示板の書き込みだった。
『見てなさいよ。校舎裏で、やっつけてやるんだから』
ハンドルネームは記号を用いた装飾と共に、めぐっち、と表記されていた。
「これ本人?」
「そうみたいだな」
「名前隠す気ゼロかよ……」
響弥はこの掲示板の存在を知ってからというもの、頻繁に覗いているらしかった。ただでさえ噂や流行に敏感な響弥だ。先ほどの適当な言い分はひとまず置くとして、まさに鬼に金棒……かもしれない。
校舎裏なんて、またベタな場所を選んだものだ。
「ちょっと行ってくる」
「おおー、じゃあ昇降口で待ってる。やばかったら助けに行くよ」
「来なくていい。三城も、ありがとな」
「ん、たいしたことじゃないけどね」
渉はふたりと別れて、校舎裏へと急いだ。どうせ帰るのだからと、下駄箱でシューズを履き替えて昇降口を出る。
ぐるりと回って校舎の裏側へ。少女らはそこにいた。
校舎の壁を背にする凛の周囲を、小坂を合わせて女子六人が立っている。遠目からでもわかる剣呑な雰囲気を醸し出していた。
(あいつら……!)
渉は何のためらもなく凛の元へと突き進む。気づいた女子が数人こっちを見たが、前に出てくるようなことはない。
「凛! 何やってんだよ、帰るぞ」
心配を口走り、渉は間に割って入った。
「渉くん……」と言った凛の表情には、なぜか驚きよりも後ろめたさのほうが滲んでいる。
「まーたあんたぁ?」
ピンク髪のいじめっ子――小坂めぐみは凛の正面で腕組みをし、露骨に顔を歪めた。
「乙女の園にズケズケと……うっざ。白馬の王子様のつもり?」
「凛、大丈夫か?」
無視して渉が尋ねると、凛はコクリと顎を引く。見たところ怪我もないようで、安心した。
小坂はふんっと鼻を鳴らす。
「何もしてないっての。めぐはただ、その子に謝ってほしいだけ」
「……謝る?」
「そう」
ピンク髪は続ける。
「めぐから修を奪ったこと。修に近付き、不幸を寄せたこと。ぜーんぶ土下座して謝れって言ってんの」
「そんなことをさせるためにわざわざ呼び出したのか。それも大勢に囲わせて、高圧的な態度で」
「ギャラリーはいて当然よ。めぐはみんなの人気者だもん」
小坂はきゃははっと両手を合わせ、身体をぴょんと弾ませる。渉の視線は冷えたまま動かない。
「強制して謝らせてそれで満足か? 違うだろ。お前はただ、弱い者いじめをしたいだけだ。謝罪が欲しいんじゃない」
「あはっ、よくわかってるじゃん。もしかしてめぐのファン?」
「タイプじゃない」
渉が変わらぬ調子で告げると、小坂は舌打ちをした。
「いいから、早く謝れって言ってんの!」
「必要ない」
「あんたには言ってない」
小坂は凛に掴みかかりそうな勢いで吠えるが、渉がそれを許さない。庇うように両手を広げて、これ以上凛に近付けさせまいとする。
小坂はムッと唇を引いた。
「ねえ……ほんっとウザいんだけど、何なの?」
苛立った口調のまま、けれど落ち着きを見せる小坂。組んでいた腕を解き、顎に手を当てる。
「邪魔するなら、あんたからやっちゃおうか――望月渉くん。この子たちがどういう役目を持ってるか、きみ知らないでしょ?」
渉は周囲を見回した。身長や体格にばらつきがあるけれど、いるのは全員女子。みな鋭い目をして渉を睨んでいる。
(バスケ部とテニス部で見覚えがあるな……三城は陸上部と女バスの一年って言ってたか)
だが見たところ、一年と二年が混ざっている。伊達にいろんな部活動を駆け回る『便利屋望月』とは呼ばれていないのだ。
(女子相手に手荒な真似はしたくないが……)
そう思ったとき、目の前で小坂めぐみがくすりと笑った。
目の前――そう。すぐ目の前に彼女はいた。小坂は至近距離で爪先立ちをしており、両手を伸ばして頬に触れていた。
黙っていれば可憐である少女の顔が、視界いっぱいに広がる。次に目にしたのは、妖しく歪んだ口元――
「……!」
ドンッ――と。渉は反射的に、小坂の身体を突き飛ばしていた。咄嗟のことだったので、つい手を伸ばしていた。
小坂はよろめいて尻餅をつく。
渉が『あ』と口にする前に、少女は「う」と声に出し、
「うええぇえん! ふええぇん!」
「え……」
「痛いよぉ!」
顔を上げたその目には、涙が見て取れる。
(えっ……えぇ?)
少年が困惑するなか、小坂はぺたんこ座りで目元を拭い、喚き散らす。
「酷い酷い! めぐ、ちょっと触れただけなのに……望月くんが突き飛ばしたぁ!」
「可哀想!」
「めぐっち大丈夫?」
すかさず駆け寄る取り巻きたち。
「痛いぃ、痛いよぉ! 腕、折れちゃったかもぉ……」
「なわけないだろ!」
思わず渉は声を荒げるが、小坂はなおもひくひくと嗚咽を漏らしている。なんだこの茶番は。
(これじゃまるで……俺が悪いみたいじゃないか!)
渉はどうしていいのかわからず、口をぱくぱくと動かした。怒りと呆れの感情はあるが、女の子の涙を見て居た堪れない気持ちになるのもまた事実。
そんな渉の横を、背後にいたはずの凛がスッと通った。
「り――」彼が呼び止めるよりも早く、凛は小坂の前に歩み寄っていく。
「……」
凛は無言で小坂を見下ろした。小坂たちもまた、警戒した目で彼女を見上げる。
そして、何を考えたのか。凛はその場にしゃがんで、小坂めぐみの手を取った。と同時に、取り巻きたちがさっと後退していく。凛の顔つきを見て後ずさっているようだ。――彼女はどんな顔をしているのだろう。
「な、何よ――」
「痛みは? どこが痛い? ここ?」
「は、はあ?」
凛は、小坂の握り拳の、甲と手首、腕を順に触っていく。
「ここは?」
「触んないで!」
耐えきれなくなったのか、ついに小坂は凛の腕を振り払った。
その拍子に、握られていた拳から何かが飛んで地面に落ちた。なんだ? と目をやると、それはさぞ手のひらに収まりやすい大きさの目薬だった。
だがそんなものには目もくれず、凛は緩慢な動きで立ち上がる。
「……なーんだ。動かせるじゃん、小坂さん」
渉から見る凛の背中は、いつになく気怠げだった。
小坂も立ち上がり、スカートと膝の汚れを払う。そして笑みを浮かべて言った。
「何? 男取られそうになって怒ってるの?」
「怒ってるよ」
「! ……めぐの修は、取ったくせに!」
小坂は泣きそうな顔をして手を振り上げた。
しかし、渇いた音がその場に響くことはない。渉が凛を後ろに引っ張り正面に出たので、小坂の手は急ブレーキを掛けたかのように止まっていた。
少女は渉を睨み上げて、頬に平手打ちを食らわせた。
「渉くんっ!」
「平気だよ」
凛の声に渉はすぐさま反応する。頬はじんとして痛かったけれど、凛に傷を負わせるわけにはいかなかった。
凛の手を取り立ち去ろうとする渉を、小坂の囲いが引き止める。
「しつこいな……」
渉はため息混じりの本音を口にする。一発殴らせれば済むかと踏んでいたが……。
そのとき、視界の端に影が入り込んだ。
渉は目を見開き、もう一人の存在に注視する。
校舎の隅でこちらを見つめている少女。
(橘、芽亜凛……)
ずっといたのか、今来たばかりなのか。
芽亜凛は渉と視線を結び、まっすぐこちらに歩いてきた。
「小坂さんに、用が」
闖入者――橘芽亜凛は、行く手を遮った取り巻きに静かに告げる。その目元は優しげに微笑んでいる。
彼女は小坂の元に行き、足先から頭までを舐めるようにして見た。
「怪我は?」
「……ないけど」
「そう、よかった」
芽亜凛は柔らかに言ってみせる。女子に対する芽亜凛の、いつもどおりの物腰だ。
でも、いいのかな。と芽亜凛は続けた。
「ここにいる望月渉、百井凛、それに私。E組で呪い人かもしれないって言われてる生徒とこんなふうに関わったりなんかして」
何を言い出すかと思えば、そんな話。知っている者からすれば、半ば脅しのようなものだ。
「呪い?」と小坂は嘲笑する。
「あるわけないでしょ、そんなもの。あんたたちがどんな得体の知れないものに関わっていようと、めぐは平気だもん」
「それじゃあ凛を責めるのも、おかしな話じゃない?」
「っ! その女のせいで修はいなくなった! 事実そうじゃん!」
小坂は凛を指差し、容赦ない言葉を放つ。凛は微動だにしなかったが、渉は握る手の力を強くした。
芽亜凛は小坂から視線を外して、周りの女子に目を向ける。
「あなたたちは? 小坂さんはこう言っているけど、このなかから被害者が出る可能性があるのよ? これ以上、小坂さんより目立つ真似したら、確実に狙われるわ」
五人の女子は顔を見合わせる。彼女たちの顔には、不安と疑いと戸惑い……そういった心境が浮かんでいた。
「そこ!」
急に声を強くした芽亜凛に、取り巻きたちの肩がビクつく。
芽亜凛はあらぬ方向に人差し指を向けていた。立て続けに「そこ!」と、今度は別の方向を指差す。そこ、そこ、そこ、そこ!
あからさまな芽亜凛の大きな声。続けて出される指の向き。女子たちはみな目をぎょろつかせて翻弄される。誰も彼女から目が外せない。
そうして最後に、芽亜凛は遊びに飽きた子供のように肩を落とし、まだ指されていない方向に指を傾けて――
「もしかしたら……そっち」
誰かの唾を飲み込む音がした。
芽亜凛の瞳は相変わらず、感情の読めない冷淡なもの。みなが息を殺すなか、小坂だけが噛み付く。
「な、何がなのよ!」
「赤い瞳でこっちを見てる」
今もどこかでね、と芽亜凛はおまけを付け足した。
「……ひっ」
女子のうちの一人が悲鳴を漏らすと、ずるずると後ずさる足音が一斉にしはじめる。
そして、周囲にいた女子五名は、誰もが先陣を切るように一目散に逃げ出した。
「ちょっ、ちょっとみんな!」
小坂は辺りを見回して叫ぶが、遅かった。一人置き去りにされたリーダーは、虚ろな瞳をこちらに向ける。
「……あの腰抜けが。いいよ、だったら私が……」
そう言ってポケットから取り出したのは剃刀だった。
突然視界に現れた刃物に緊張感が走る。けれど――
「あまり、身体に負担を掛けるのはよくないわ」
芽亜凛は小坂の手に指を添えた。仮にも相手は剃刀を持っている危険な女だ。手を伸ばすのは当然注意すべき行為。なのに芽亜凛は、何のためらいも見せない。
「っ……なに」
「しーっ」
うろたえる小坂を抱き寄せるようにして、芽亜凛は耳元に顔を寄せる。小さな唇が音もなく蠢く。
「……な、んで……それ……」
「ね? だから早く病院へ行ったほうがいいわ」
芽亜凛が小坂から離れたとき、手の内の剃刀はいつの間にか折り畳まれていた。小坂の顔色は明らかに悪くなっている。都合の悪いことを言われたのは明白だった。
目を泳がせて唇を噛み、小坂はポケットに剃刀をしまうと、「もしめぐが死んだら……あんたたちのせいだからね」と捨て台詞を吐いて校舎裏を去っていった。
「芽亜凛ちゃ――」
「どういうことだ、今の」
凛が声をかけるよりも先に、渉が前へと出る。隠れるようにいた凛には、先ほどの発言は聞こえていなかっただろう。
『想像妊娠でも本当になっちゃうことってあるのよ』
芽亜凛はそう、囁いていた。
想像妊娠。なぜそんな話が――?
芽亜凛はくるりと振り向いた。
「単なるジョークですよ。本人は信じ込んじゃったみたいですけど……。凛、怪我はない?」
「うん……二人共、ありがとう」
弱々しく頷く凛を置いて、渉はさらに一歩踏み出す。
「余計なことはしなくていい。昨日そう言ったはずだ」
「余計なことでした? 私、望月さんには何もできなかったと思います」
「走って連れ出すことくらいできた」
「それじゃ根本的解決にはなりません」
「きみのやり方は間違っている」
「何もできないよりずっといい」
二人は睨み合って火花を散らす。
「二人共、喧嘩しないでよ……ね?」
「……」
「……」
口を曲げる渉と、上目遣いで見やる芽亜凛。凛が間に入ってもなお、少年と少女は睨み合った。
『余計なことはしなくていい。凛のことは、俺が守る』
昨日、小坂たちに追われている凛を見つけた時。前へ出ようとした芽亜凛を止めて、渉が最後に告げた言葉だった。
芽亜凛は渉から視線を外すと、ゆっくり瞳を閉じて息を吐く。
「そうね……ごめんなさい。何もできないでいるのは、私のほうでした」
それがどういう感情で言われた言葉なのか、渉にはわからなかった。
しかし渉とて、凛の前で見苦しい振る舞いをしてしまった。それは反省すべき点だ。
芽亜凛は軽やかな動きで凛に向き直る。
「またね。また明日」
そう言って彼女は、凛が頷いたのを見届けると、裏門のほうへと歩いていった。鞄を手にしていたので、下校する気だったのだろう。
凛は芽亜凛の後ろ姿が見えなくなると、渉の顔をついと見上げた。
「ちょっと来て」
離していた手を、今度は凛から握り取られる。渉は校舎脇の水飲み場に連れて行かれた。
蛇口をひねり、凛は自分のハンカチを水で濡らす。
「……大げさだ」
「いいから大人しく」
ピシャリと言われてしまい、渉は段差に腰を下ろした。凛は濡らしたハンカチを渉の顔にそっと当てる。
冷たさに顔をしかめながら、渉は凛と虚空とを交互に見た。
「……謝ったら怒るからな」
凛の「えっ……?」という声を聞いてから、渉は地面に視点を定める。
「悪いのは小坂だ。まあ、もう怒ってはないけどさ……」
「私は怒ってるよ。渉くんを叩いたことも、馬鹿にしたことも……貶めようとしたことも」
私は怒ってる。と、凛は繰り返し言うのだった。
――凛の正義感は幾度となく見てきた。けれど、自分のことは後回しにして誰かのために怒るその姿は、何だか不思議な気持ちになる。
これが逆の立場だったら、渉もこうして怒っているだろう。事実、昨日は腸が煮えくり返って仕方なかったのだから。
顔の赤みが引いたらしいところで渉は立ち上がる。
「もう大丈夫だ。ハンカチは洗って返すよ」
「いいよこのままで。一緒に帰ろう?」
そう言って顔を綻ばせる幼馴染。渉は「うん」と声に出し首を縦に振る。ようやく笑うことができたようだ。
昇降口に二人で向かうと、待たせっきりだと思っていた響弥の姿はなかった。スマホのトーク画面を見ると、『叔母さんが迎えに来てたから先に帰るわ!』というメッセージが送られていた。
渉は了解の返信をし、凛と二人で下校する。長い一日の疲れを、幼馴染と癒やしながら。
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