第19話
今、想えば、其れは
お姉ちゃんが言い始めた一言の私しへの提案から始まっていた事なのかも知れない!
私達、姉妹は瓜二つの顔をしていた。
小学校、中学校の頃は名前を間違わ無い様にとの学校側の配慮から
其れぞれ違うクラスに分けられて居たが
遊び半分から私達は度々わざと違うクラスの教室に入り授業を受けたが
誰一人として私達が入れ代わって居た事に気付きもしなかった。
その事が全然、面白くなかった為に
この遊びが長く続けられる事は無かった。
しかし、顔は瓜二つだったが性格は違って居た。
お姉ちゃんの秋菜はおっとりした性格で勉強も良く出来たが
私しは活発で頭は良くは無かった。
その為もあったのだろうが
一人で歩いていても
秋子ちゃん!と、私しの名前を呼ぶ人が少なく、殆どの人達に
秋菜ちゃんと声を掛けられて居た。
その事が嫌で、お姉ちゃんに
その事を言い度々、困られせていた。
しかし、お姉ちゃんは
「今、秋子が言った事は
お母さん、お父さんには絶対に言ってはダメだよ!
私達の事は、お母さんと、お父さんだって間違うじゃない!
他人が間違えたからって、其れを私達は責められないよ!
私達は、こう言う定めと思うしか無いじゃ無い。」
でも…私しは秋子よ!
秋菜じゃないんだよ!
「じゃあ秋子はどうして欲しいの?」
私しは…私しを秋子と認め、誰にも秋子ちゃん!と呼ばれたい。
そんな私しの自我は益々強く成って行き
其れを見かねた、お姉ちゃんが
「ねえ…秋子!
どうせ私達の事、誰も気付かないんだったら、いっその事
本当に分からない様に髪形やシャンプー、着る服とかも一緒にし皆を困らせて遊ぼうよ!ね」
そう笑顔で私しに言った。
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