第13話

私達を乗せた車は渋谷中央署の前に止まった。

運転席から降りると

後部座席のドアを開け


「ご案内します!」


そう丁寧に言い案内をしてくれ


「こちらで御座います!」


そう言い部屋のドアを開けた。


部屋に入ると立会人として鈴木刑事さんが居た。


秋子の体は白い布で全身を覆っていた。

私しは秋子と大きな声で呼び掛け、その遺体にすがり付き泣いた。


私し、この行動を此所に来る途中で考えて居た。


死んだのは秋菜ではなく秋子にしなければ成らなかった。


その為には先ず私しが両親に対して、どうしても強いインパクトを与える必要があったからだ。


両親も狂ったかの様に大きな声で名前を呼びつつ

秋子の遺体にすがり付き泣き続けて居た。


鈴木刑事さんが


「お嬢さんの秋子さんに間違いございませんね!」


と父に声を掛け、父は

はい!娘の秋子ですと答えた。


「分かりました。」

夜分、ご足労をお掛けして申し訳ございませんでした!」


そう言い深々と頭を下げ


「今日の所はこの位でお引き取り下さい!

秋子さんのご遺体はもう少しこちらでお預かりいたします!」


そう言いながら泣きじゃくる私達三人の肩を優しく叩き

部屋から出る様にと声を掛けた。



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