ポジティブシンキングな彼女たち

「まあ、元の世界に帰れるのがいつになるかわからないし、いっそ、元に戻れるまではこの世界をインジョイしてみない?」

ポジションな考えの杏子がこの名も無き未来都市を探検したり、何なら、この町を調べて快適なら暮らそうとまで考えた。

美華と百合恵は、杏子の考えに、

「何言っているの?杏子。正気なの?こんな何もわからないのに、無責任な事言わないでよ。鋼くんたちも驚いているじゃない?」

「そうよ。第一、仕事や家はどうなるのよ?煉くんたちのご両親やお友達たちも心配するじゃない…それに、この世界がどうなっているのかわからないのに」

「だから、そうするんじゃない。どうするかわからないなら、ジタバタするより深呼吸して楽しくわかりやすい道を行けばいいじゃない!!!」

杏子が言うには、未来の世界には何が起こったのかわからないから、調べる価値があると言った。

これが、五百年前の世界なら日本は戦国時代、欧州なら大航海時代とだいだいはわかるが、自分たちは生きていない世界を見ることが出来る体験出来る。子供たちには最高の情操教育だと考えてもいたのだ。

ハチャメチャなポジティブ思考であると同時に、鋼たちのことを思ってあげるのは、滅多にないこの体験を恐怖ではなくアトラクションのような不思議な永遠に残る思い出にしてあげたいと思ったからだ。

まずは、ただ調べるだけでは楽しくないので、いっそデートしながら、この光輝く未来都市を散策して手がかりを探そうと言った。

杏子と鋼は北側の地区、美華と煉は西地区、百合恵と鎧は東と調べて最終的には今いるこの南の地区の中央広場に戻ってくると言う手順だ。

「じゃあ、鋼くん、行こうか」

「うん」

「煉くん、優しくエスコートしてね」

「任して下さい」

「鎧くん、どんなものを見つけたい?」

「百合恵さんとなら楽しい…ただ、それだけだよ」

女帝と王子たちは、未来都市へ、いや、輝くクリスタルやプラチナのように、鏡のように輝く宮殿に足を踏み入れた。

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