第二十三話 「アカシックレコード!! 」
■■■自殺ランブルのルールその23■■■
自殺ランブル開始直後の参加者のスタート地点は、案内人が自由に配置することができる。
■■■ 第二十三話 「アカシックレコード!! 」■■■
■ ■ 地上 (凛花・雷蔵) ■ ■
「どおした! どおした! そんなモンじゃないハズだぞ! 」
ジェットコースター、メリーゴーラウンド、回るコーヒーカップ……自殺遊園地(スーサイドパーク)にて楽しげに立ち並ぶ数々のアトラクション。
人々を興奮させ、一時の非現実的な体験を提供させるそれらの遊具は、たった二人の【自殺(スーサイダーズ)ランブル】参加者によって、木クズや鉄クズへと無惨なイメージチェンジを果たしていた。
くそ……やっかいなのね……あの3つの能力は………
[電][縄][風]3つの【特殊能力(スーサイダーズコマンドー)】を併せ持つ神成 雷蔵(かみなり らいぞう)の攻撃により、苦戦を強いられている本草 凛花(ほんぞう りんか)。彼の戦闘能力は、最強の能力と謳われている【あなたをここで燃やしたい(ウィッシュユー・ワー・バーン)】をもってしても攻撃を防ぐことで精一杯の状態だった。
「ハァ……ハァ……」
飛行能力で雷蔵から距離を取り、園内に所々置かれている馬車の形をしたポップコーンの屋台に身を潜める凛花。彼女のセーラー服は赤くドス黒い血に染められ、激戦を物語っていた。
「……こんなところで、やられるワケにはいかないの……」
呼吸を整える凛花の視線の先には、このランブル戦での残り死に残り人数を告知する電光掲示板があった。そこに示された【現在の死に残り人数 8人】の表示を目にした彼女の瞳はには、ほんの少しの安堵と希望が読みとれた。
「うおおおおおおぉぉぉぉッッッッ!!!! 」
そんな彼女のつかの間の休憩を打ち破る怒声! 雷蔵は、長年積み上げてきた戦いの本能を頼りに、隠れていてた凛花の姿を見つけると、上空より飛来して奇襲をしかける!
「くそっ! 」
とっさにその攻撃を回避した凛花。さっきまで彼女がいた場所には、落雷を思わせる轟音と共に粉々になって、その原型を留めていない屋台だった物の無惨な姿。
「どうかのう? 凛花ちゃん。この能力さえあれば、君がどこに隠れていようがすぐに見つけられちゃうんだぞ」
「[縄]と[風]の能力がそこまでハマるとは思わなかったのね……」
凛花の飛行能力に匹敵する雷蔵の機動力の秘密は、[縄]と[風]の能力の複合によるものだった。
まず[風]の能力で自分を浮かせ、髪を伸ばして作った[縄]を園内にあるアトラクション施設の鉄骨等に縛り付け、ブランコのように反動を付けて髪を放す。それを繰り返した空中移動法は、密林を縦横無尽に行き交う霊長類の如く脅威的だった。
「それにしても凛花ちゃん……」
鍛え上げられた自慢の大胸筋を胎動させながら、雷蔵はゆっくりと凛花に歩み寄る。自殺者が集うこの戦いには、その驚異的な体躯と自信に満ちあふれた態度は、あまりにも不釣り合いだった。
「さっきから、全然戦いに集中出来てないように見えるんだがね……さっきから電光掲示板の方ばっか見ているのう……」
雷蔵の指摘に、顔をしかめる凛花。彼女はその言葉を否定し、跳ね返すように、口に溜まった血反吐を地面に吹き出した。
「まぁいい。その気にならないと言うんなら……そうせざるを得なくするまでよ……! 」
その次なる刹那、[縄]の能力で髪を伸ばした雷蔵は、瞬きする間も無く凛花の右手を縛り付けて、自身の体へと引き寄せる!
「うぅッ!? 」
その束縛に反応出来なかった凛花は、続く雷蔵の動きの意味を理解し、彼の存在を少しばかり見くびっていた自身を恥じた。
「いくぞぉぉッ! 【螺旋風雷縛掌(らせんふうらいばくしょう)】!! 」
彼が仰々しく名付けたこの技について説明しよう。
螺旋風雷縛掌(らせんふうらいばくしょう)とは、まず髪の縄で相手を束縛してこちらに引き寄せ、次に壁に作った風の紋章で自分自身を地面と平行に吹き飛ばし、体に錐揉み回転を加えながら電気を帯びた掌打を相手に見舞うという、3つの能力を複合させた高等技術である!
髪で引き寄せる力と、自身が突進する力に加え、さらに回転と電撃のパワーを加えたこの技を身に受ければ、たとえ相手が象やヒグマであろうと、一撃で骨肉を粉砕させてしまう……まさに一撃必生の奥義なのだ。
「くっ……! 」
迫り来る雷蔵の厚い掌を見て、凛花は思った……
ここまで能力の使い方を熟知し、組み合わせて戦法として取り入れた人間はいなかったのね……ただね……ワタシだってLv3にまでパワーアップさせた炎の能力一つでここまでやってきた……
証明してやるのね……玉子、メンマ、海苔が乗ったラーメンよりも、3枚の厚切りチャーシューメンの方が美味いってコトを!
「ああああああッ! 」
凛花は縄で縛られた右手に発火液を集中させて爆炎を起こし、一瞬で縄を燃やし尽くして体の自由を取り戻す! そしてその場に倒れ込んで体勢を低く落とし、突進する雷蔵の一撃を緊急回避した!
「ズゴォォォォンンン!!!! 」
凛花に避けられ、重戦車の砲撃と化した雷蔵の体は次々と園内の施設を貫いて破壊し、プールに貯められたガソリンを一気に爆発させたかのような轟音を空に響かせた。
「……まったく……」
雷蔵の螺旋風雷縛掌(らせんふうらいばくしょう)により、無惨に倒れ朽ちる巨大な船型のアトラクションと、トンネルを作って出口まで一直線になってしまった迷路の施設、崩れ落ちてただの廃墟となってしまったお化け屋敷を目の当たりにして、凛花はそっと呟いた……
「れ~みんのヤツ、とんだバケモノをよこしてくれたのね……」
■ ■ 地下 (舞台・美徳(ぺぱーみんと)・須藤・瀬根川) ■ ■
遊園地の地下通路にて突如現れた巨大スタジアム。その中央に位置する円形の闘技場にて、強奪チームの4人である、清水 舞台(きよみず ぶたい)・大沢 美徳(おおさわ ぺぱーみんと)・須藤 大葉(すどう おおば)・瀬根川 刃(せねがわ じん)達は、頭上より落下して来た金網に閉じ込められて、身動きが取れずにいた。
金網は闘技場をピッタリ取り囲むような筒状になっており、高さは5m程ある。そして天井は無い。その気になれば舞台と美徳(ぺぱーみんと)の能力を使って容易に脱出できそうにも思えた。
しかし、事態はそう甘くは無かった。何故なら彼らの目の前にはこの【自殺(スーサイダーズ)ランブル】の案内人「れ~みんマウス」がタビネズミを模した顔の真っ黒な瞳を向けているからだ。
「大掛かりな金網(ケージ)なんかに閉じ込めやがって! オレ達をどうするつもりだ!? 」
須藤は敵意を露わにしながら、金網の外側でピンと背筋を伸ばして立っているれ~みんマウスに声を荒げる。
「どうするつもり? そんなの当たり前じゃないの? 」
れ~みんは明らかに彼らを見下す口調で返答すると、その場で踏み込んでジャンプし、金網の縁に腰かけた。2階建ての家屋に匹敵する高さまで一気に上昇するその跳躍力は、明らかに普通の人間の身体能力とは違う。死後の世界を管理する異形の者としての圧倒的力の差を見せつけられた4人は、ただただ唖然とするしかなかった。
「わたくしはね……ぜ~んぶお見通しなんだ☆ キミたちがこすズルイ方法を企んでいて、わたくしのコトを探し回っていたことを」
「何だと? 」
「瀬根川クン……だったかな? キミが地下通路で偶然わたくしの姿を見つけて、鍵を強奪することを思いついたらしいけど……それはワザとさ♪ わたくしがキミにそうさせるように仕向けたパフォーマンスだったのさ☆」
「どういうことだ!? 」
動揺する瀬根川を見下ろしつつ、れ~みんは金網の縁上に直立してゆっくりと歩き始めた。綱渡りのように絶妙なバランス感覚を強いられるような細い足場を、ネズミ頭の案内人はいともたやすくこなして見せた。
「まず、順を追って説明してあげよう☆ キミたちアカシックレコードって知ってるかい? 」
「アカシック……? 」
「人の一生が記録されたデータバンクのような物……聞いたことがあるけど……」
聞き慣れない言葉に戸惑う一同だったが、ただ一人美徳(ぺぱーみんと)だけはその言葉を知っていたようで、関心したれ~みんは嬉しそうにその言葉を繋いだ。
「その通り☆ キミたちにはそれぞれ自分が死ぬまでの運命……いつ生まれ、いつ恋愛して、いつ結婚し、いつ病気にかかり、いつ死ぬのか……等々が記録されたアカシックレコードを持っている……我々死後の管理人達は、その記録通りに命を終わらせた生物達の魂を、しかるべき場所へと案内する為に日夜がんばっているワケなのさ♪ ……だけどね……」
れ~みんが指を擦りあわせてパチン! と音を鳴らすと、スタジアムの入場ゲート上部に設置されていたオーロラビジョンに、とある映像が映し出される。
その映像は老若男女、様々な人間達が、次々と高所から飛び降りたり、首をロープで吊ったり、自ら手首を切って血を流したりという行為を記録したビデオだった……体が無惨に傷つき、変わり果てた様子を容赦なく見せつけられた4人は、自分たちが各々犯してしまった自殺行為と重ね合わせてしまい、思わず目を反らしてしまう。
そんな4人の反応を冷淡に見下ろすれ~みんは途切れた説明を再会させた。
「実はね……自殺ってのはアカシックレコードにとって想定外(イレギュラー)な事柄なんだ……☆ 事故死や病死というのは、レコードに記録されているので、こちらも前もって対応出来る。しかし、本来80歳まで生きる予定の人間が、その途中の20歳で自ら命を終わらせてしまっては、こちら側となっては、突然にやってきた魂を受け入れなければならないので非常に迷惑なんだ。だってそうだろう? 午後6時に予約を入れたレストランに、4時間も早く来られてしまったら、テーブルも料理も用意していないんだ……店員がアタフタするのはキミらにも想像できるだろう? 」
「例えそうだったとしても、お前が困るだけで、俺達にとってはなんの問題も無いだろう! 」
瀬根川が反論すると、れ~みんは人差し指を振りながら「チッチッチッ」と舌打ちをし、彼の言葉を否定する。
「それが大問題なのさ♪ 地上で誰かが死ぬとなると、その失った魂の埋め合わせに新たな魂を送り込まなければならない……つまり、新たな生命を生み出すワケだが、その手続きが君たち自殺者のせいで遅れてしまうんだ。自殺者の魂はすぐに対処出来ない上に、次から次へと死後の世界へ大挙してくる……ハンバーガーショップを想像してごらんよ、ドライブスルーの客ばかりやってきて、店内のお客様の対応が出来なくなっているような状況さ……」
「死んだ魂がドライブスルーの客で……店内の客は新しく生まれる魂ってこと? 」
「そう☆ さすが舞台クン、もの分かりがいい。ドライブスルーばかり相手にしていると、店内の対応がおろそかになる。地上へ供給する魂が不足してしまうってことになってね、つまりは出生率が下がるってことさ☆ 」
その言葉に、4人の顔は何かに気がついたように、無言でお互いの顔を確かめ合った。
「君たちの暮らしていた日本という場所……毎年出生率が下がっているのは知っているみたいだね☆ 分かったかい? 自殺する人間が増えたせいでね、新たな生命が生まれる因果が少なくなってしまったんだよ……♪
これはもう、わたくしたちだけの問題じゃないよね? 」
舞台も、須藤も、美徳(ぺぱーみんと)も、瀬根川も……全員何も声を返せなかった。みんな、自分たちが死んだところで世間は何も変わらないだろう……そう考えていたからだ。自殺者の魂が人間の未来に大きく影響を及ぼしてしまっているコトを知らされ、両肩に鉄アレイをぶら下げたような自責の念を覚えてしまっていた……
「この事態を重く見たわたくしたちの上層部は、自殺者の魂を受け入れる枠を縮小することに決めたのさ☆ だからこうして【自殺(スーサイダーズ)ランブル】という場を設けて、君たちの中から一人だけ死ぬことが出来るようなシステムを作ったんだ♪ でもね……」
れ~みんは突如オーロラビジョンの方へと振り返り、振り払うように右手を真横に伸ばすと、巨大な液晶は爆発を伴いながら粉々に散り、無惨なガラクタと化してしまう。
「キミたち人間ときたら……! この期に及んで戦うことを放棄してダラダラ時間を持て余す奴ら! 肉欲の滾りを発散することに全力を注ぐ奴ら!! くだらない友情ごっこに興じる奴ら!!! さらに、あろうことか案内人であるわたくしを襲って鍵を盗もうなどと考える……浅はかで! 愚かで! 自分勝手で! 卑しい奴ら! お前らみたいな奴らのせいでな! 戦いが遅延しちまって仕事が全然はかどらねぇんだよ!!!! わかってんのかぁぁぁぁぁぁーーーーッ!! 本来ならこの戦い! 2時間ちょっとで終わるようなバランスの人数で構成されているんだぞ! それがもう5時間も経ってるんだ! こちとら3時間も残業してんだぞ! 」
さっきまでのコミカルな口調が一転、知的な印象を一切感じさせないほどに凄み、濁った声で感情を露わにさせたれ~みん。世の中の全てを茶化すようなさっきまでの印象は芝居(フェイク)で、この姿こそがれ~みんマウスの本性なのだろうと、強奪チームの4人はこの時揃って感じ取った。
「瀬根川にワザと姿を見せつけたのは、そうすることで『何かある! 』と思わせ、大勢を引き連れて地下通路にやってくるコトを狙ってたんだよ! そうすりゃ、わたくしがそこに閉じこめていた飢獣(モンスター)使いの反州 来徒(はんす らいと)の攻撃で、一網打尽に出来ると考えていたからだ! 」
「まんまと罠にハマっちまってたワケか……! 」
飢獣(モンスター)を操る能力【飢獣夢喰らい(ハンガーズ)】は、閉ざされた空間でこそ真価を発揮する。来徒(らいと)は強奪チームを一掃する為に利用されていたのだ。瀬根川はれ~みんの掌で踊らされていたことを悟り、憤りで拳を張り裂けんばかりに握りしめた。
「でもね……まさかキミたちがあそこまで団結し、知恵を絞ってあのLv3の【飢獣夢喰らい(ハンガーズ)】を攻略するとは思わなかった……本当に誤算だったよ…………そこでだ! 」
れ~みんが再び指を鳴らすと、屋根の一部が四角い窓のように開かれ、そこから鎖に繋がれた四角い檻のような物がゆっくりと降ろされ、舞台達がいる円形闘技場の真ん中の位置より、ちょうど5mほどの高さでぶら下がる形になった。
「まさか……!? 」
その頭上に浮かぶ檻の中に、見覚えのある[者]が閉じこめられていることが分かった須藤は、これから自分たちに強いられるであろう運命を理解し、舞台達と顔を順々に合わせ、それぞれの表情を確認した……そして、全員がレストランでコース料理を頼んだら残飯を出されたかのような顔と目つきを作っていることが分かり、事態に絶望する。
「練(れん)さんに雪乃(ゆきの)さんッ! それに……走栄(そうえい)さんまで!! 」
檻の中には彼らと別行動を取っていた3人が閉じこめられていた。意識が無いようで、全員ぐったりと倒れ込んでいて舞台の叫びにも全く無反応だった。
「この3人には、今は特別な方法で眠らせてある」
れ~みんは金網の縁から檻の天井部分へと飛び移り、繋がれた鎖にしがみついてポールダンスを踊るように回転する。面妖な案内人がこの状況を楽しんでいることは明らかだ。
「そして、今からキミたち4人にはちょっとした生かし合いをしてもらおうと思う☆ 最後の1人になるまでこの金網からは出られないよ……そして、薄々気がついているかとは思うけどね……」
れ~みんが三度(みたび)指をパチンと鳴らすと、今度は何もない空中に光り輝く長方形が現れ、その中に手を突っ込んで明らかに拳銃と分かるL字の金属的に物体を取り出した。
「キミたちが戦う気を起こさずに、チンタラした態度を見せれば。わたくしの足下にいる3人を……1人ずつ強制的に脱落させるよ♪ 」
れ~みんはブローバック式の拳銃をスライドさせ、弾を込めた。その思いやりの欠片もない音を耳に入れた4人は、仲間同士で潰し合わなければならなくなってしまった運命を未だに受け入れることが出来ずにいた。
須藤はどうにかこの状況を打破できないか? と周囲を見渡し、瀬根川は自らが引き起こした失態を恥じてずっと足下を見つめて歯を食いしばっていた……美徳(ぺぱーみんと)は隣にいる舞台の右腕に両腕を巻き付けてひたすら震えてしまっている。
「そうだ! なんならキミたち、わたしの腰にぶら下がっている鍵を奪い取ってみるかい? コレが目的だったんだろ? まぁ、無理だろうけどね☆ 」
さらに4人の気持ちを逆立てるように、れ~みんはこの【自殺(スーサイダーズ)ランブル】の優勝者だけが手にすることが出来る鍵が何本も束ねられた鉄製の輪を手にとって見せびらかした。
「野郎……!! 」
挑発するれ~みんの態度に青筋を立てる須藤。自分たちは、本当に今からお互いに傷つけ合わなければならないのか?
そんなコトをするくらいなら、いっそ……
[途中棄権]その言葉がよぎった瞬間だった……
「ふふッ……」
須藤は自身の耳を疑った。今、この状況で誰かが笑った声がしたのだ。その声が、れ~みんのものでは無いことは明白。
「お……おい? 」
その笑い声に気がついたのは瀬根川も同様であり……
「ど……どうしちゃったの……? 」
美徳(ぺぱーみんと)も同じく動揺を隠せなかった。今、絶望的状況の中で……
「はぁ~っ! はっはっはァッ!! 」
高らかに笑い声を上げる舞台の姿に、不気味さすら感じ取っていた。
「清水 舞台クン……何がそんなにおかしいんだい? この状況を前にして、頭がバグっちゃったのかい? 」
さしものれ~みんも、舞台の突拍子もない反応を見逃すことが出来なかった。そして、敵・味方両方からの怪訝な視線を集めている張本人が、ついにその理由を明かそうとする。
「笑いが止まらないのも無理はないよれ~みん……だって……罠にハマったのは、お前の方なんだから! 」
「何? どういうことなんだい? 」
おそらく、ここにきてれ~みんは初めて焦りのニュアンスをこもった声を発した。その様子を見て、さらに不適な笑みを作った舞台はネズミ頭の案内人に指差し、自身タップリにこう答えた。
「まだ分からないのか、れ~みん! 強奪チームの仲間は、もう1人いるってことに! 」
■■【現在の死に残り人数 8人】■■
■■■自殺ランブルの能力紹介17■■■
【技名】螺旋風雷縛掌(らせんふうらいばくしょう)
【能力者】神成 雷蔵[71歳]
【概要】
雷蔵が[電][風][縄]の三つの能力を組み合わせて考えだした必殺技。
まず髪の縄で相手を束縛してこちらに引き寄せ、次に壁に作った風の紋章で自分自身を地面と平行に吹き飛ばし、体に錐揉み回転を加えながら電気を帯びた掌打を繰り出す。
[縄]による束縛と[風]の推進力、[電]の破壊力を併せ持つこの技は、対応できる能力を持っていない限り防ぐことは不可能。威力は重戦車の砲撃に匹敵する。
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