スーパーマーケットの怪物
こんな夢を見た。
スーパーマーケットの冷凍食品売り場でバイトをしている。
売り場はスーパーの二階、エスカレーターを上ってすぐの場所にある。両サイドに並べられた冷凍食品の配置は地元のスーパーとそっくりだが、地元のスーパーはワンフロアなので恐らく別の場所だろう。
その食品が並べられたケースに挟まれた通路の途中に、床下に続く扉がある。
スーパーよりは普通の家でよく見かける収納庫のように見えるこの下には、私が働く前から怪物が棲み着いている。
怪物、とは言ったものの、実際のところは一メートルに満たない暗い色をした何か、ということしか私には分かっていない。動くスピードが速すぎて、どういう形をしているのかが見ても分からないのだ。
怪物は決まって二時間に一度、床下から飛び出しては大暴れする。
商品やケースに被害が出ることは少ないが、如何せん尋常ではない速度で弾丸のようにあちこちを跳ね回るため、人にぶつかると非常に危険だ。
この怪物が暴れ回る時間帯、店員や来店客に被害が出ないよう冷凍食品コーナーを封鎖するのが私の仕事の一つだった。
とは言っても、やることはそれほど大変ではない。時間になる前にあらかじめ黄色い立ち入り禁止のテープを売り場の出入り口に貼ってしまえば、なぜか怪物がそこから先へ飛び出すことはないからだ。後の時間は売り場の商品を補充したり並べたりするだけで良い。
怪物相手にしては楽な仕事ではあるが、時々やはり危ない目には合うようだ。
現に今日も、客の対応に追われて時間ギリギリになってしまい、間一髪のところで売り場を封鎖することはできたものの、自分が外に出るのが間に合わなかった。
うかつに外に出ようとして、背中からぶつかられても危険だろう。目の前を弾丸のように横切る何かをよけつつ、まいったなぁと溜め息を吐いて、一通り暴れ終わるまで無事でいられることを祈っている。
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