決して、初夢ではない

 新年早々、こんな夢を見た。


 私は用があって、ひどく急いでいる。

 慌てて車の後部座席に乗り込むと、車のエンジンをかけ発進させた。

 しかし車がスピードを出し始めて直ぐのカーブに差し掛かったところで、自動運転モードがオフのままであることに気が付いた。

 すぐにギアを動かそうとしたが、回転する後部座席からでは必死に身を乗り出しても届かない。

 そうこうするうちにカーブを曲がり切れなかった車は車道を飛び出し、真下の水のような灰色の暗闇に向かって、ふうわりと落下し始めた。

 落ちる車内で斜めになった景色を眺めたまま、果たしてこれは落ちた所からもう一度スタート出来ただろうか、それともゲームとは違うのでこのまま落ちて何処かへと向かうのだろうかという考えが、まず咄嗟に頭に浮かんだ。

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