第5章5 智を務める者の戦い方
チーム・リッド vs チーム・オグワス戦は、副将同士の対戦へともつれ込むカタチとなった。
流れではチーム・オグワスが一気に巻き返した格好だが、当の副将ゴヴに今、その勢いはまったくない。
「(………動かない、のか?)」
副将戦が始まって1分。シオウは開始位置で立ち尽くしたままだ。
構えたまま隙を伺っているゴヴに対し、木杖を適当にクルクル回しているだけ。攻めてくる気配もなければ、守りを固めようとする気も感じられず、そもそも構えらしい構えを取ろうともしない。
先鋒と次鋒はリッドに倒され、中堅はワザと負けてノヴィンに勝利させる。その彼とスィルカの2人を自分が倒し、チームの勝利をグッと引き寄せた上でこのシオウまでこぎつけた。
チーム戦としての優劣は振り出しどころか自分達に傾いているはずであり、残る敵はこの副将シオウと後に控えている大将、ミュースィル姫の2人だけ。
チーム戦としての状況を頭の中でおさらいし終えたゴヴは、自チームの大将であるオグワスの作戦通りに事が推移していると再認識する。
残る彼の仕事はシオウを倒すか連戦不能にする事。そしてそれは当初、容易い事だと思っていた。
「(オグワス曰く―――― “ リッドとスィルカを倒してしまえば、後は頭数合わせのようなもの ” とのことでしたが…)」
確かにその通りだろう。チーム・リッドが先鋒と中堅の二人頼みである事は、構成メンツを見ればゴヴでも分かる。
特に後ろの2人。
副将のシオウは校内では劣等生として有名で、戦技・学術とも普段の成績はギリギリ。かといってそれが本人の実力の全てではないだろう。
オグワスが言っていた通りに彼がこのチームの頭脳であるとするならば、少なくとも学業はワザと手を抜いていて本当は相応に頭がいいか、もしくは参謀向きの知恵や知識に特化しているかのどちらか。
一方で大将のミュースィル姫は、学業成績の方こそ全生徒トップの生徒でこそあるものの、あのほんわかした性格ではどう考えても戦技関連において手抜きが出来るようなタイプじゃない。なので最低でも戦闘技術に関しては、隠された実力は皆無であると断定してもよい。
「(チーム・リッドの構成はオグワスの見立て通り。このシオウは、大将のミュースィル姫が手に負える相手かどうかを見極め、防波堤になる役目……それはつまり、実質的にはこのシオウが大将も同然と見る事もできますね)」
なんならここで快勝して見せれば、ゴヴの実力に対して大将であるミュースィルは勝ち目なしと判断、もしくは周囲がそう判断して棄権させてしまえる可能性だってある。楽に勝利……
そこまで考えてゴウは、一つの可能性を閃く。
「(なるほど…そういう意味でも “ 防波堤 ” ですか。…もしかするとこの劣等生クンは、皇帝陛下直属の隠密か何かというセンも…)」
もし普段からワザと劣等生を演じているのだとすれば、あながちその推測も間違いではないかもしれないと、ゴヴは心中苦笑した。
いかに王侯貴族の子息といえど、学園内には限られた御付きしか同行を許されない。貴族子息の誰もが大量に自分の側仕えを伴っていては、生徒同士の交流など学園生活にも多大に支障をきたすし、学園敷地内は生徒以外の人間で溢れかえってしまう。
だが、ミュースィルは皇帝の実子たる姫である。多くを付ける事が出来ないのであれば、絶対的に信頼のおける精鋭たる人間をその側に置き、危険ごとから守ったりそれとなく遠ざけたりする役目を担わせようとしてもなんらおかしくはない。そのための同世代の人材を生徒として潜りこませていたとしても納得だ。
そこへきてのこのシオウの容姿である。
知らぬ者は初見にてほぼ間違いなく女子と思うであろう外見。異性とはいえ姫の側においておきやすく、かつ姫の方も普通の男性と比べれば、安心して接しやすいはずだ。
さらに劣等生として周囲から侮られていれば、姫にちょっかいを出そうとする人間に警戒される事なく尻尾を掴み、取り締まる事も容易くなる。
「(――――ありうる。という事はこの男……本当は相当な実力の持ち主であるかもしれませんね)」
ゴヴは、先ほど気配に気付けなかったという事実を根拠に緊張の度合いを高めながら、早々とポケットの中に片手を突っ込んだ。
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「いよいよシオウの試合よ。楽しみねー、メルー?」
「ぁ~、っい~」
「はは、微笑ましいですな」
シオウが間に入った事で、
「(…いやはや、どう見つくろっても姉妹…これで
貴族社会においては何も若い奥様は珍しくはない。10歳前後で他家に嫁ぐなど日常茶飯事といってもいい。
だがその場合、たいがいは相手も同い年や同世代で夫婦の営みのアレコレなどほとんど知らない者同士であったり、年が離れた大人の男性に嫁いだとて、他家とのコネクションの意味を持つ幼妻だ。万が一があってはならないため、手を出す事は肉体の十分な成長を待ってからが
「(……話には聞いていたがあらためて実物を見れば納得ですね。アレオノーラ嬢は相当な人物…そして)」
そんな彼女の眼鏡にかない、執拗にスカウトを受けているシオウという女子の如き少年。
彼女らと一緒にいると、まるで三姉妹であるかのようにすら思える彼が今、闘技場の上で試合に臨んでいる。
「よく見せていただきますよ、君の価値を」
さきほどのやり取りでも十分。だが価値があるからこそ、より深くしかと理解しておくべきであるとヴェンテは考え、闘技場をよく観察せんと、オペラグラスを取り出し、目元に当てた。
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ヒュッ、ブンッ、ビュシュッ!
「ん、ほう、ふむ、ほいっと」
ゴヴの繰り出す攻撃。その全てはやはりシオウには当たらない。呑気な態度を崩すことなくヒラリヒラリと回避し続ける。
「はぁ、はぁ…はぁ、はぁ。まったく、信じられない身のこなしだ。まさかとは思いましたが…本当に陛下直属の手練れか何かですかキミは?」
「さぁ…なんのことかな。その予想が仮に当たってたとして、はいそーです、とは言わないだろ普通。否定してやっても一度抱かれた疑いは消えないだろうし、まして肯定するわけもない質問だ」
言われてみてそりゃそうだと、ゴヴはあっさり納得に至る。そしてその感覚は奇妙な既視感を彼に感じさせた。
「(これは一体? …まさか、何かの覚醒能力? いや、そんな感じではない。魔法やアイテムを使っているとも思えない……)」
シオウの戦法はある程度想像がつく。回避一辺倒に終始し、相手の隙を見つけては随時、弱くとも攻撃を入れるというもの。
それは、隙を見つけるとつい大ダメージを狙った、自信ある1撃を繰り出したくなる戦闘者のソレとは真逆のローテンションな戦法だ。
たとえ一撃必殺のチャンスがあったとしても、この男は決して自分のペースを変えない。そういうタイプだと確信をもって言えるし、オグワスもそう見ていた。
なのでそこは間違いないはずだ。
だが、ゴヴはそれだけではない何かをシオウとやり合う中で感じていた。
「単調な攻撃ばかりだな……狙ってるんだろ、何かを? そのポケットの中身はまだ使わないのか?」
「!! ……なぜ、わかるんです? 透視効果の覚醒能力でもお持ちとか?」
「いいや? そんな便利で羨ましいモノは持ち合わせていないよ。…お前の動きに何かを狙っている節が見て取れる。加えて、いつでもポケットから何かを取り出せる体勢を、意識的にか無意識にかは知らんが維持しようとしているのが丸わかり」
ゴヴは呆気にとられた。
確かにポケットの中の切り札をいつでもすぐ使えるよう意識はしていた。だが構えや動作など、普段と何ら変えているつもりはない。
本人すら気づいていない違いを、そしてそこから何に意識を向けているのかを見抜くだと?――――そんなバカな、である。
「……それが事実だとして、あっけらかんと普通に見抜ける事ですかね。劣等生クン――――いやシオウクン。キミは一体何者なんです?」
「そんな大層な事じゃあない。ただ…そうだな。学園に入る前は世界中を旅してまわってた。相応に危険な目にも遭ったし、未知の危険に対応するのが当然の環境で生きてきたからな。悪いが平和に暮らしていた人々からすりゃ理解しがたいくらいには観察力と危険察知に自信があるってだけだよ」
ゴヴはなるほどと思いかける。だがそれだけでは説明がつかない事もあった。
「でしたら…これならどうでしょうね!?」
ゴヴは、片手の
「……」
シオウはやはり、無言で飛んで来た木製
「(やはりおかしすぎる! 確かにこの攻撃は回避されるだろうとは思っていた。ですが、あまりにもこの結果に
シオウとの会話のやりとりにしてもそうだ。あっさりとこちらの疑問や疑念が解消され、納得に至っている自分。
しかし冷静に思い返してみれば、なぜそこで自分は納得したのか? よくよく考えてみれば、猜疑心を働かせてさらに疑念を深める事だってできたはずなのにそうは考えなかった。
「どういう事なんでしょうねコレは? まるでキミはこちらの攻撃も発言も、全てを理解しているかのようだ」
「そうか? そんな事はないと思うがな」
トボけて見せるシオウにゴヴは軽くいら立ち、なお食い下がった。
「それだけじゃあない。キミの言葉を聞いていると、どんな事でも妙にストンと得心してしまう。一体どんな能力を使っているんです?」
「口調は爽やかなくせに割と疑り深いんだな。お前の疑い通りに何かしらの能力を使って惑わしていると仮定して、だ。その通りだろうとなかろうと、これは試合だぞ? 対戦相手にあれこれ教えたり答えたりする方が不自然だろ」
それを聞いた時、ゴヴはまたしてもああ確かにと納得してしまう。事実シオウの言う通りなのだろうが、だからこそイラ立ちをなお深めた。
「ええい、でしたら! 何を企んでいるとしてもキミの思惑が実を結ぶ前に勝負をつけてしまえば関係ない!!」
ゴヴは、ポケットからソレを取り出した。人差し指に巻き付けた札のようなものが淡い煙を吐く。
「やはり “ 魔導媒体 ” か。考えたな、魔導具の
「その余裕、いつまでも続きますかね?」
シオウは、杖の先端で自分の頭を
「…なんのつもりです?? まさか私はもう眼中にでもないと?!」
「いや? そーゆーわけじゃあないけどな…別に気にしなくていいよ。ちょっとした考え事…ああ、待ってもらう必要もないんで、どうぞご自由に」
かかってきていいよ、と手に持つ木杖を振ってコイコイとジェスチャーを取る。舐めた態度――――――ゴヴは奥歯を噛んで突撃を開始した。
「(何を企んでいるかは知りませんが愚かな! この煙の中にいる者はこの呪符を身に着けていない限りあらゆる感覚が狂う。自慢の回避力も正しくこちらを認識できなければ何の意味も―――――――)」
しかし、ゴヴの意識はそこで途切れた。
・
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・
「えーと、何がどうなって、なんで勝ったんだシオウ?? ずっと見てたのにさっぱり分かんねぇんだけど」
闘技場から
リッドだけではない。眠っているスィルカを除き、迎えた仲間達全員がどうなったのか全然わからなかったと言わんばかりの表情をしていた。
「スィルカを闘技場から下ろした時に魔法をかけておいた。相手――――ゴヴだっけか。アイツはあの時から軽い精神異常状態に陥ってたってだけだよ。ま、最後は闘技場の端っこで軽く足ひっかけて場外への派手なダイビングでご退場いただいたわけだが……仇は打ったぞー、って事で」
そう言って、ミュースィルに抱かれるようにして寝ているスィルカの、前髪の乱れを整えるように撫でる。
「もう少し説明するとスィルカに敵が仕掛けた攻撃の正体だが……あれは本来、魔導具を作る上で材料の一つになる “ 魔導媒体 ” を用いた、幻惑系の精神攻撃だ。効果自体はごく微量だがな」
「幻惑?? スィルカさんは、敵から幻惑にかけられてたって事ですか??」
ノヴィンの質問に、頷きで返すと、シオウは続けた。
「そ。本来なら安眠や精神不安を軽減するための寝具であったり、よりくつろげるように風呂場の一部に組み込んだり…そんな日用向けに使われる物の
「でも、シルちゃんは確かに何もないところを攻撃したりしていました…それは相手の方がそこに見えていたという事ですよね??」
「ああ。普通に使ったら強い効果は見込めないモノ……だからこそ試合で使う武器として問題ないレベルであるとチェックを通過し、登録する事が出来た。だが組まれていない剥き出しの魔導媒体は、用い方次第でその効果を引き上げる事が出来る」
「用い方?? ってことは相手はその魔導媒体って奴で何か特別な事をしてたのか」
「ああ。相手はスィルカの性格と試合の流れを利用したんだよ。真面目で責任感の強いスィルカに、前の試合でノヴィンを完膚なく打ち負かして見せた。さらに言えば、ウチのチームはリッドとスィルカの2本柱だって事は敵は勿論、こちらも全員が認識している事実だ、もちろんスィルカもな」
そこまで言われてミュースィルは理解が及んだらしく、あっと口を開いたかと思うと表情が沈み、スィルカの寝顔に視線を落とした。
「相手が利用した幻惑の効果を高める方法は、ずばりプレッシャーだ。潔癖ともいえるほど努力して真面目に取り組む事を美徳としているスィルカに、自分が負けたら仲間の頑張りが無駄になる、チームの敗北が濃厚になる…って事実を突きつけ、深く意識させる。精神攻撃の効力のほどは相手の精神状態に依存しやすい。あちらさんもよく考えたもんだよ。チェックを通過させ、しかし実際の試合じゃ最大限の効果を発揮させたわけだからな」
ほえーとリッドとノヴィンが少し馬鹿みたいな表情で口をポカンと開ける。そんな企みや準備を敵方が行っていたというのも驚きだが、それを看破したシオウにも今更ながら驚かされる。
「…ん? じゃあお前が相手にかけた魔法ってもしかして」
「ああ、スィルカがかけられた奴とほぼ同じような効果の精神系魔法だよ。いわゆる意趣返しって奴だな」
「ちょ、おいおい?! それって
「そのくらいは女の子にエグい手を使った罰って事で。それに俺が仕掛けた魔法は極々効果の弱いものだ。試合開始時にはほとんど作用してなかったし、相手にも影響はまるでなかった」
だがそう言ってのけるシオウに対し、リッドは呆れたようにため息をついた。
「けど結局、最後はその効果があったんだろ? ズルじゃないか」
「いやそうでもないさ。もしゴヴが焦れたり猜疑心に捉われたりしなければ、最後まで普通に戦い抜けただろうよ。幻惑の効果が強く出たのはアイツの心根の弱さのたまものだな」
だがシオウには確信があった。ゴヴという対戦相手が幻惑に飲まれる事になるのは必然だろうと。
切り札として隠した武器を所持し、さらには大将から授かった作戦を遂行する副将。疑心が少しでも芽生えれば思考を巡らせずにはいられないような、思慮深い性格の人間でなければ決して任せられない作戦遂行の要となるポジション。
相手がハッキリとそういうタイプであると確信したのは、ゴヴがシオウに何者だと聞いてきた時だった。
「(ま、普通は敵について考えを巡らせても、対戦相手に直接質問を投げかけるなんて真似はしない。ゴヴの本当の敗因は相手と言葉をかわした事だな)」
《それにたいして煽るように応対したんでショ? ホント、呆れかえるわネ》
「(相手のペースを乱すなんて事は初歩の初歩だ、呆れられるような話術は使っちゃいないよ)」
「ぅう……ん、…あれ、ウチ……?? ミューねえさま……?」
シオウが守護聖獣と心中でワイノワイノと言い合っていると、ミュースィルに抱かれていたスィルカが目を覚ました。
「おはよう、シルちゃん。よく眠れたかしら?」
「ええ…と、はい、まぁ気分はよくなって……―――――ハッ!? ウチは確か負けて……し、試合は今どーなってるんです??」
急いで起き上がろうとするスィルカだがシオウがかけた魔法の余韻が残っているらしく、再びフラリとミュースィルに向かって倒れそうになる―――が、それをシオウがインターセプトし、かわりに受け止めた。
「ああ、心配いらない。今副将戦が終わったばかりで―――お、どうやら
シオウの言葉に、全員がえっ? と彼を見返した。
「俺が
「い、いやいやいやいや! ちょ、な、何言うてますんシオウさん!? ミュー姉様は戦ったりとかは苦手―――」
慌てるスィルカの口に人差し指を当てて制止すると、今度はミュースィルに向かってちょっとちょっとと手招きをするシオウ。そして何事かを耳打ちした。
「…わかりました、私も頑張ってみます。シルちゃん大丈夫、皆さんのためにも私、勝ってみせます!」
シオウは理解していた。
ミュースィルは確かにポワンとした平和的な性格と気質の持ち主であり、こうした戦いごとにはまるでダメなタイプの人間である。それは間違いないし、この場にいる、本人も含めて全員がよく理解している事だろう。
だが、同時に彼女は皇帝の実子たるやんごとなき身分に生まれた者。
王侯貴族とは、庶民より税を吸い上げ贅を食む者と思いがちであり、それは真理でもある。
しかし彼らの中…真なる貴人のみが、もう一つの顔を持つ。
「(国家という集団の頂点にあるという責任感と、自らの下にいる者達へと示すべきリーダーとしての在り方。それはどんなにのんびりとした性格であっても、生まれつき抱いているもの。愚劣で性根が腐ってしまわない限り)」
《ふーん、それってあのお姫様に皇帝としての素養がある、ってコト?》
「(いいや、多分無理だろうな。だがその血筋たる者としての
集団における智を司る者は、自身の直接的な戦闘よりも集団全てを勝利に導くことこそがその存在意義である。
だがそのためには、ただ戦術や戦略を立てて提起するだけでは足りない。仲間を理解し、戦況を深く見極め、必要な処置を施さなければならない。
その時点で、オグワスはシオウには遠くおよばない。彼はあくまでチームのための戦略立てをする時点で止まっている。
しかしシオウは、観客席にいる時から試合の経過、敵味方を観察、相応の動きや試合運びから見て取れるモノ全てを得て、そして理解し、判断と自分が取るべき方策を導き出し、そして全てを実行し終えた。
『勝者・ミュースィル様!!』
その結果。
予想通りミュースィルの、自チームの勝利を告げる審判のコールが今、発せられた。
ミュースィルが開幕早々に放った1発の魔法を受けて、オグワスはその身より煙を立たせつつ場外へと転がった。
リッド達やオグワスのチームメイト、観客たち。そして魔法を放ったミュースィル自身も驚いて杖を前に出した構えのまま、思わずその場にペタンと座りこんでしまった。
ただ一人だけ…シオウだけが確信していた決着模様。
彼は荷物からゴソゴソと堅パンを一つ取り出すとその端を食いちぎり、いつもと変わらぬ気の抜けた表情でモムモムと呑気に咀嚼していた。
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